
LINE Messaging APIとは?主な機能や活用事例をわかりやすく解説
LINE公式アカウントを活用した顧客コミュニケーションは今や多くの企業にとって重要な施策の一つですが、より高度で柔軟な運用を目指す場合、LINE Messaging APIの導入が有効です。
本記事では、LINE Messaging APIの基本的な仕組みから活用できる主な機能、さらに実際の導入事例までをわかりやすく解説します。
LINEを通じたコミュニケーション施策を強化したい方は、ぜひ参考にしてください。
Index
1-1. LINE Messaging APIとは
1-3. LINE Messaging APIの利用料金とは
2-1. ステップLINE
2-2. リッチメニューの設定
2-3. Flex Message
2-4. LINE Front-end Framework(LIFF)
2-5. クイックリプライ
2-6. メッセージ配信
3-1. チャットボットによる対応の自動化
3-2. マーケティングキャンペーン
3-3. イベント情報のリアルタイム配信
3-4. ユーザーエンゲージメントの向上
3-5. LINEでの予約・注文
3-6. 定期的なリマインダー配信
3-7. 個別最適化されたコンテンツ配信
LINE友だち追加計測ツール

LINEの友だち追加を媒体やクリエイティブごとに正確に計測し、広告施策の効果改善を実現するツール。
LINE友だち追加後の「予約」や「購入」などのユーザーアクションもCVとして計測でき、売上成果につながる広告媒体が明瞭化。施策は媒体別・キャンペーン別・クリエイティブ別に計測できるため、最適な予算投下が可能に。


LINE Messaging APIの基本情報

LINE Messaging APIを活用するためには、まずその仕組みや特徴を正しく理解することが重要です。
ここでは、APIの概要や仕組み、利用料金など、導入前に押さえておくべき基本情報を整理します。
LINE Messaging APIとは
LINE Messaging APIは、LINE公式アカウントの標準機能を拡張し、より柔軟で個別最適なコミュニケーションを実現するための開発者向けインターフェースです。
一般的な公式アカウント機能では対応しきれない高度な要件に応える仕組みであり、ユーザー一人ひとりに合わせた情報配信や、対話型サービスの構築などが可能になります。たとえば、チャットボットを使った自動応答や、個別属性に応じたセグメント配信など、独自のカスタマイズが必要な場合に有効です。
基本的には開発スキルが必要な仕組みですが、API連携可能な外部ツールを利用することで、非エンジニアでも導入しやすくなっています。
LINE Messaging APIの仕組みとは
Messaging APIは、LINEユーザーと企業側の「ボットサーバー」がデータをやりとりすることで機能します。
まず、ユーザーがLINE上で送信したメッセージは、LINEプラットフォームを通じて、開発者が指定したWebhook(通知URL)にイベントとして届けられます。これを受けたボットサーバーが内容を解析し、適切な応答メッセージを生成・返送することで、双方向の自動コミュニケーションが成立します。
APIはJSON形式のHTTPS通信で構成されており、メッセージ送信、ユーザー情報取得、リッチコンテンツ配信など、多様な機能に対応しています。
LINE Messaging APIの利用料金とは
Messaging APIの利用には、LINE公式アカウントのプラン契約が前提となります。
もっとも簡易な「フリープラン」は月額0円で月1,000通までメッセージ配信可能ですが、それ以上は送信できません。
「ライトプラン」は月額5,000円で15,000通まで無料、超過分は1通5円課金です。「スタンダードプラン」は月額15,000円で45,000通まで無料、超過分は配信数に応じて単価が下がり、最大1通あたり約1.1円まで低減します。なお、Messaging APIの活用にはボットサーバーの構築・運用も必要であり、自社サーバーの費用や開発工数も考慮に入れる必要があります。
運用規模や施策の複雑さに応じて、プラン選定やシステム設計を検討しましょう。
【DL資料】流入分析はなぜ必要?LINE公式アカウント施策のPDCAを叶えるマスト機能
LINE Messaging APIの主な機能とは

LINE Messaging APIは、単なるメッセージ配信だけでなく、顧客体験を豊かにする多彩な機能を備えています。
以下では、具体的にどのような機能があるのかを詳しく見ていきましょう。
ステップLINE
ステップLINEは、ユーザーの行動や登録日などを起点に、あらかじめ設定したメッセージを自動で段階的に配信できる機能です。
例えば、資料請求後にお礼メッセージ、2日後に活用方法、5日後に限定オファーといった流れで接触を続けることができ、ユーザーとの関係性を自然に深められます。
運用負荷を下げながら継続的なフォローが可能になるのが特徴です。
リッチメニューの設定
リッチメニューは、LINEトーク画面下部に表示されるカスタマイズ可能なメニューエリアです。
Messaging APIを活用すれば、ユーザーの属性や行動履歴に応じて内容を出し分けることができます。
新規顧客向けにはサービス紹介、既存顧客にはFAQや購入ボタンなど、目的に応じたナビゲーション設計が可能です。
Flex Message
Flex Messageは、テキスト・画像・ボタンなどの要素を自由に組み合わせてデザインできるメッセージフォーマットです。
レシート形式や商品紹介カードなど、複雑で視覚的なレイアウトも構築可能です。
LINE公式のシミュレーターを活用すれば、専門的なコーディング知識がなくても直感的に作成できます。
LINE Front-end Framework(LIFF)
LIFFは、LINEアプリ内でWebアプリを表示・操作できる仕組みです。
トーク画面上で予約フォームや会員証表示、商品購入画面などを開けるため、外部ブラウザへ遷移させずにシームレスな体験を提供できます。
LIFF経由でユーザーのプロフィール情報も取得可能で、より高度なパーソナライズ配信にも対応できます。
クイックリプライ
クイックリプライは、メッセージ下部に最大13個の選択ボタンを表示できる機能です。
ユーザーはボタンをタップするだけで回答でき、入力の手間がかかりません。
アンケートや条件分岐の接客フローに活用されており、選択肢によって応答内容を変えるインタラクティブな体験も実現できます。
メッセージ配信
Messaging APIでは、「応答メッセージ(Reply)」「プッシュメッセージ(Push)」「マルチキャスト(Multicast)」「ナローキャスト(Narrowcast)」「ブロードキャスト(Broadcast)」の5種類の配信方式が利用可能です。
配信形式もテキスト、画像、動画、Flex Messageなど多岐にわたり、セグメント別のアプローチから全体配信まで、あらゆる配信戦略に柔軟に対応できます。
LINE Messaging APIを活用した事例

実際にMessaging APIを導入した企業では、どのような成果や活用方法が見られるのでしょうか。
ここでは、代表的なユースケースを通じて、APIの実用性と効果を具体的にご紹介します。
【DL資料】ー新規顧客獲得に悩む:美容クリニック・ジムなどの店舗をお持ちの企業様へ―LINE公式アカウント活用事例
チャットボットによる対応の自動化
Messaging APIの活用例として最も代表的なのが、チャットボットによる顧客対応の自動化です。
ユーザーからの問い合わせに対し、24時間対応可能な自動応答を実現することで、即時性と利便性を提供できます。よくある質問を登録するだけで、カスタマーサポートの負荷軽減につながり、有人対応は必要に応じてエスカレーションすればOK。
顧客満足度と業務効率の両立が図れる強力な活用方法です。
マーケティングキャンペーン
LINEのMessaging APIを活用すれば、よりパーソナライズされたプロモーションが可能になります。
リッチメッセージやリッチメニューで構成される訴求力の高い配信は、セール告知やクーポン配布などのキャンペーンに最適です。
ユーザーの購買履歴や属性データに基づき、個別最適化された情報を配信することで、メルマガよりも高い開封率・CVR(コンバージョン率)を実現します。
イベント情報のリアルタイム配信
Messaging APIは、セミナーや展示会などのリアルタイム情報配信にも有効です。
例えば、開催前のリマインド通知や、当日のアクセス案内、緊急時の会場変更のアナウンスまで、すべてLINE上で完結可能です。
イベント終了後にはアンケートやお礼メッセージを自動配信することで、ユーザー体験の向上や次回イベントへの誘導にもつながります。
ユーザーエンゲージメントの向上
アンケートやクイズ、簡易診断といったインタラクティブなコンテンツを通じて、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを実現できます。
これにより、ユーザー自身が能動的に関与し、企業側は趣味嗜好やニーズといった貴重なインサイトを得られます。
回答者限定の抽選プレゼントなどを組み合わせると、さらに高い参加率とエンゲージメントが期待できます。
LINEでの予約・注文
飲食、理美容、医療などの業界では、Messaging APIを活用してLINE上での予約・注文が可能になっています。
ユーザーはトーク画面から日時を選び、予約完了メッセージや確認リマインドを受け取れます。
予約管理や在庫状況は外部システムと連携可能で、事業者はLINEを通じた手軽な予約受付と効率的な業務運用を両立できます。
定期的なリマインダー配信
定期的にサービスを利用するユーザーに対して、LINEでのリマインド配信を自動化する活用例も増えています。
例えば定期購入の更新通知、診療・施術の予約前日リマインドなどをMessaging APIで配信することで、キャンセルや利用忘れの防止、継続率向上に効果を発揮します。
ユーザーにとっても、忘れずに利用できるという利便性が高評価です。
個別最適化されたコンテンツ配信
Messaging APIでは、ユーザーの属性や行動履歴に基づいたセグメント配信が可能です。
例えば、20代女性で過去にA商品を購入したユーザーには、関連商品の新着情報を優先的に配信するなど、個別最適化されたアプローチが実現します。
これにより、反応率の向上とともに、長期的なLTV(顧客生涯価値)の最大化にも貢献します。
LINE Messaging APIの注意点とは
高機能なMessaging APIですが、導入時にはいくつかの注意点があります。
まず、LINE公式アカウントの標準機能で目的を達成できる場合は、API導入が過剰となる可能性があります。APIの導入・運用には外部サーバーとの接続、システム開発、保守といったコストも発生するため、目的と予算を照らし合わせた導入判断が不可欠です。
また、LINEが定める利用規約やAPIガイドラインへの違反には厳しいペナルティがあります。
過剰なメッセージ配信や不正なデータ取得を行った場合、アカウント停止や利用制限のリスクもあるため、必ずガイドラインを確認し、法令や規約を遵守した運用を心がける必要があります。
さらに、LINEの料金プランやAPI仕様は定期的に変更されるため、公式のアップデート情報を継続的に確認する体制も重要です。
まとめ:LINE Messaging APIで配信をもっと便利にしよう
LINE Messaging APIは、LINE公式アカウントの拡張機能として、高度なメッセージ配信やユーザー対応を可能にする開発者向けの仕組みです。
チャットボットやセグメント配信、LIFFアプリなど多彩な機能により、ユーザーごとに最適化された情報提供やスムーズなコミュニケーションが実現できます。
LINEをより戦略的に活用したい企業にとって、Messaging APIは顧客体験の向上と業務効率化を両立するための強力な選択肢となるでしょう。

Contact
マーケティングにお悩みの方は
お気軽にご相談ください