
Cookie規制をわかりやすく解説!LINEマーケティングに与える影響は?
Cookie(クッキー)は、これまでWebマーケティングの根幹を支えてきた仕組みのひとつです。特に、ユーザーの行動データをもとに広告を出し分けたり、効果測定を行ったりするうえで、Cookieは不可欠な技術でした。
しかし、近年ではプライバシー保護の観点から、Cookieの利用に対する規制が世界的に強化されています。
こうした状況を受け、企業は“Cookieに依存しない”マーケティング施策への転換を迫られています。
本記事では、Cookie規制の概要と背景、LINEマーケティングに与える影響について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
Index
1-2. Cookieの仕組みと種類
1-3. Cookieが規制される理由とは
2-1. 主要ブラウザのCookie規制の現状
2-2. Google ChromeのCookie規制廃止撤回の動き
3-1. リターゲティング広告が制限される
3-2. コンバージョン計測の精度が下がる
4-1. LINE内でのユーザー行動データはCookieに頼らず取得可能
4-2. LINEの友だち追加広告などはコンバージョンAPI活用がおすすめ
5-1. Cookie取得に必要な同意管理ツール(CMP)を導入する
LINE友だち追加計測ツール

LINEの友だち追加を媒体やクリエイティブごとに正確に計測し、広告施策の効果改善を実現するツール。
LINE友だち追加後の「予約」や「購入」などのユーザーアクションもCVとして計測でき、売上成果につながる広告媒体が明瞭化。施策は媒体別・キャンペーン別・クリエイティブ別に計測できるため、最適な予算投下が可能に。


Cookie規制の概要と基本知識

Cookie規制を正しく理解するには、まずその背景や基本的な仕組みを押さえておくことが重要です。
ここでは、日本における規制の動きやCookieの種類、そして規制が求められる理由について解説します。
日本におけるCookie規制の開始時期とは
日本では2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、さらに2023年6月には改正電気通信事業法が施行されることで、いわゆる「日本版Cookie規制」が本格的に始まりました。
とくに2023年の電気通信事業法の改正では、ウェブサイト運営者がユーザーの情報を第三者に送信する場合、利用目的の通知や明確な同意取得が義務化されました。
これにより、Webサイトでの外部送信についても、ポップアップバナーなどを用いたユーザーへの明示と選択が必須となっています。
海外のGDPRやCCPAなどと比べて日本の対応は後発でしたが、デジタルプライバシー保護の流れを受けて、日本でも企業のトラッキング施策に対する規制と透明性の確保が急速に求められるようになりました。
Cookieの仕組みと種類
Cookieとは、Webサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなテキストデータで、セッション管理やユーザー設定の保持などに利用されます。
Cookieは発行元のドメインによって「ファーストパーティCookie」と「サードパーティCookie」に分類されます。
前者は閲覧中のサイト自身が発行し、ユーザー体験向上のために使われます。一方、後者は広告事業者など第三者が発行するもので、複数サイトを横断してユーザー行動を追跡し、ターゲティング広告などに利用されてきました。
Cookieが規制される理由とは
Cookie規制が進む主な背景は、ユーザープライバシーの保護と、企業による個人データの無断利用への懸念です。
Cookieは本来、ユーザーの利便性向上に役立つ仕組みですが、特にサードパーティCookieはユーザーの意図を超えた形で閲覧履歴を収集・分析する用途に広く使われてきました。
これにより「知らない間に行動が追跡されている」という不安が高まり、欧州ではCookie取得にユーザーの明示的同意が必要とされるようになりました。
また、AppleやGoogleといった大手もプライバシー強化に舵を切っており、SafariやChromeでのサードパーティCookieの制限や廃止が進められています。
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Cookie規制を進める主要ブラウザの対応状況

各国での法整備と並行して、主要なWebブラウザもCookie規制に積極的に取り組んでいます。
主要ブラウザのCookie規制の現状
主要ブラウザではすでにCookie規制が進んでおり、AppleのSafariではITP(Intelligent Tracking Prevention)によりサードパーティCookieを完全ブロックしています。
さらに、ファーストパーティCookieであってもトラッキング目的のものは7日以内に削除される仕様です。
FirefoxやMicrosoft Edgeも同様にトラッキング防止機能を標準で有効化しており、広告主による従来のターゲティング施策が機能しづらくなっています。
一方、シェアの大きいGoogle Chromeでは段階的な対応が進められており、完全廃止の時期は変更を重ねながら検討が続いています。
Google ChromeのCookie規制廃止撤回の動き
Googleは2024年7月、ChromeでのサードパーティCookie全面廃止を当面見送ると発表しました。
広告主がGoogleのデータに依存しすぎる懸念や、英国CMAからの調査要請が背景にあります。
代替として「Privacy Sandbox」構想を進め、Topics APIやFLEDGEなどCookieに依存しない広告技術の開発に注力する方針です。
この影響により、ChromeのCookie廃止は早くても2025年以降にずれ込む見通しとなりました。
Cookie規制によるデジタル広告への影響

Cookie規制の強化は、ターゲティング広告やコンバージョン計測など、Web広告の運用にも大きな変化をもたらします。具体的な影響について掘り下げます。
リターゲティング広告が制限される
Cookie規制の強化により、リターゲティング広告は大きな制約を受けます。従来はサードパーティCookieを活用して、過去に自社サイトを訪れたユーザーへ他サイト上で広告を表示する手法が主流でした。
しかし、サードパーティCookieが使えなくなると、ユーザーの閲覧履歴が取得できず、広告の出し分けが困難になります。
すでにSafariやFirefoxではこの影響が顕在化しており、iPhoneユーザーへのリターゲティング効果が大きく低下しています。
今後、Chromeでも完全廃止が実施されれば、これまでのような精度の高い追跡広告は成立しにくくなるでしょう。
コンバージョン計測の精度が下がる
Cookieの利用制限は広告効果の測定にも深刻な影響を及ぼします。
従来、サードパーティCookieを用いてユーザーの広告クリックから購入などの行動までを追跡していたため、広告ごとの成果を正確に可視化できていました。
しかしCookieがブロックされると、広告接触と成果の紐付けが難しくなり、特にクロスドメインや時間差のあるコンバージョンでは計測精度が著しく低下します。
Cookie規制がLINEマーケティングに与える影響

Cookieの制限がLINEマーケティングに与える影響を解説します。
LINE内でのユーザー行動データはCookieに頼らず取得可能
LINEでは、友だち追加後のチャット履歴、クーポン利用履歴、ミニアプリの操作情報などをプラットフォーム内で蓄積できます。
これらはブラウザCookieに依存しないため、外部トラッキング制限の影響を受けにくいのが特徴です。
LINEの友だち追加広告などはコンバージョンAPI活用がおすすめ
LINEの「友だち追加広告」などで成果計測の精度を維持するには、Cookieに頼らない計測手法が重要です。そこで有効なのが「LINEコンバージョンAPI(CAPI)」の活用です。
CAPIは広告主のサーバーからLINEへ直接コンバージョン情報を送信できる仕組みで、Cookie規制の影響を受けずに正確な成果計測が可能となります。
また、「L-ad」などの外部ツールを活用すれば、GoogleやFacebook広告経由の友だち追加データも一元管理でき、媒体別の成果最適化にも貢献します。
Cookieレス環境で成果を正しく把握し、配信精度を保ちたい企業にとってCAPIの導入は今や必須と言えるでしょう。
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Cookie規制に備えて企業が取り組むべき対策

Cookieレス時代に備えるには、法的な整備と技術的対応の両面から対策を進めることが求められます。
Cookie取得に必要な同意管理ツール(CMP)を導入する
ユーザーの同意なくCookieを活用することができなくなった今、CMP(同意管理プラットフォーム)の導入は必須です。
CMPは、Cookie利用の目的や提供先を明示し、ユーザーからの許可・拒否を記録・管理する仕組みを提供するツールです。導入することで、法的要件に準拠しながら同意取得のプロセスを自動化できます。
計測ツールを導入してサードパーティCookieに頼らない仕組みを整える
Cookie規制が進む中で注目されるのが「コンバージョンAPI(CAPI)」の活用です。
これは、FacebookやLINE、Googleなどの広告プラットフォームに対し、自社サーバーからユーザー行動データを直接送信し、ブラウザのCookie制限に左右されずにコンバージョンを正確に計測できる仕組みです。
広告効果の可視化と配信最適化を維持するために、今後ますます重要となる技術です。GA4やサーバーサイド計測と併用することで、より強固な計測環境を構築できます。
まとめ:Cookie規制を見据えたマーケティングの実践が重要
Cookie規制の強化により、企業のWebマーケティング戦略は大きな転換期を迎えています。
企業がCookieレス時代に備えるには、CMPの導入による対応やコンバージョンAPIの活用が必須と言っても過言ではありません。
デジタル広告の未来を見据え、Cookieに依存しない戦略設計を今から進めていきましょう。

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