LINEのビジネス利用に潜むリスクと対策!コンプライアンス違反を防ぐには?

2025年5月22日

LINEは、プライベートだけでなくビジネスシーンでも幅広く活用されており、中小企業にとっても手軽で導入しやすく、社員間の連絡や顧客対応、情報共有の手段として重宝されているツールの一つです。

しかしながら、便利な反面、ビジネス利用においては誤送信や情報漏えい、アカウントの乗っ取りといったリスクが潜んでいるのも事実です。

特に私用アカウントを業務に使っていたり、明確なルールが定められていない企業においては、思わぬトラブルが発生する恐れもあります。

この記事では、LINEを業務で使う上で知っておきたい代表的なリスクとその対策までを体系的に解説します。ぜひリスクを正しく理解し、実践的な対策に取り組むきっかけとしてご活用ください。

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ビジネスで利用されるLINEの主な種類

ビジネスで利用されるLINEの主な種類

近年、LINEは私的なコミュニケーションだけでなく、業務連絡や顧客対応などのビジネスシーンでも活用される機会が増えています。

しかし、その利便性の裏には、企業として把握しておくべきリスクや注意点も存在します。

まずは、ビジネスで活用されているLINE関連サービスの種類について整理しておきましょう。

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個人のLINEアカウント

従業員各自が普段利用しているLINEアカウントをそのまま業務連絡に用いるケースです。

社員同士でグループLINEを作成して情報共有したり、場合によっては取引先や顧客とも友だちになって連絡を取ることもあります。

使い慣れたツールで手軽にやり取りできる反面、企業として情報管理がしにくく、私用との線引きも曖昧になりがちです。

例えば退職後も個人LINE上に業務のやり取りが残ってしまい、会社側で削除やアクセス制限ができないといった問題があります。

またLINEはニックネーム表示のため、仕事相手を誤って追加してしまうリスクも指摘されています。

LINE公式アカウント

「LINE公式アカウント」は企業や店舗、公共機関などが顧客や一般ユーザ向けに情報発信するためのLINEのサービスです。

いわゆる企業の公式SNSアカウントのLINE版で、友だち登録してくれたユーザに対し、キャンペーン情報やお知らせメッセージを一斉配信できます。

LINEは幅広い年代に利用され開封率も高いことから、顧客との接点強化や販促に有効なマーケティング手段として多くの企業が活用しています。

なお、公式アカウントの管理には専用の管理画面やアプリを用いるため、個人のLINEアカウントと混同せずに運用できる点も安心です。

LINE WORKS

「LINE WORKS(ラインワークス)」は社内やチーム内のコミュニケーションに特化したビジネスチャットサービスです。

通常のLINEと似た操作感で、トークやスタンプ、通話などを仕事向けに利用できます。

管理者が組織用アカウントを発行しメンバーを招待する仕組みのため、社員ごとの権限設定や利用ログの管理など企業向けの管理機能やセキュリティ機能が充実しています。

また必要に応じて外部の取引先や顧客ともつながることが可能で、「誰が既読か」を個別に確認できるなど情報伝達漏れを防ぐ機能も備わっています。

LINE公式アカウントが対顧客向けであるのに対し、LINE WORKSは社内連絡や限られた関係者同士のやりとりに適したツールと言えるでしょう。

LINEをビジネス利用する際のリスクとは

LINEをビジネス利用する際のリスクとは

便利なLINEですが、業務で使う場合には以下のようなリスクに注意しなければなりません。

誤送信による情報漏えい

LINEは私用でも日常的に使うアプリであるため、送り先を取り違えた誤送信が起こりやすい点に注意が必要です。

例えばプライベート用の友人に誤って社内機密のメッセージを送信したり、取引先向けの資料を別のチャットに送ってしまったりするケースが考えられます。

LINEではユーザー名をニックネーム表示にしていることも多く、宛先を取り違えたり内容確認を怠って送信してしまうミスが起こりがちです。

実際に、2021年には佐賀県庁の職員が調査対象者5名分の個人情報を誤って無関係の相手にLINE送信してしまう事故が発生しています。

このケースでは本来禁止されていたLINEでの送信を行ったことが原因で情報漏えいにつながりました。

一度誤送信した情報は撤回できないため、重大なインシデントを招くリスクがあります。

情報が不正に持ち出される危険性

LINEを業務で使うと、社内の情報が社外に持ち出されてしまうリスクが高くなります。

たとえば、会社のパソコンやシステムであれば外部とのやり取りを制限できますが、LINEは社員が自分のスマホに業務の情報を保存してしまうことが可能です。

つまり、会社の管理が届かないところで情報が扱われることになり、その分リスクも大きくなります。

また、通常のLINEアカウントは会社としてやり取りの内容をチェックしたり記録を残したりする仕組みがありません。

そのため、もし社員が意図的に機密情報を外部に送ったとしても、それに気づきにくく、対処が遅れてしまう可能性もあります。

このように、LINEを使うことで、企業側が情報のやり取りを把握・管理しづらくなり、情報漏えいのリスクが高まってしまうのです。

アカウントの乗っ取りやなりすまし

LINEアカウントの乗っ取り被害にも注意が必要です。

過去にはLINE利用者が不正アクセスにより乗っ取られ、友人になりすました犯人から金銭をだまし取られる事件も起きています。

また業務でLINEを利用している場合、たとえ自分のアカウントが無事でも、同僚のアカウントが乗っ取られて成りすまし被害に遭う可能性があります。

例えば同僚だと思ってグループチャットに追加した相手が、実は乗っ取られた偽アカウントだったというケースです。

そのような事態では、知らずに社内の秘密情報を犯人に漏えいしてしまう危険があります。

アカウント乗っ取りによるフィッシング詐欺や情報流出は深刻な二次被害を招きかねません。

スマホの紛失や盗難時の対応が困難

社員が業務で使っているスマートフォンを紛失・盗難した場合のリスクも考慮しましょう。

会社支給の端末であればMDMなどで遠隔ロックやデータ消去の対策が可能ですが、個人のスマホ上のLINEとなると企業側で強制的な対応を取ることはできません。

その結果、万一悪意ある第三者に端末が渡った場合でも、内部のLINEトークやファイルは見放題・抜き取られ放題になってしまいます。

特に私物端末の業務利用で社員がLINEを使っているケースでは、紛失時に会社として情報漏えいを防ぐ術がなく、大きなリスクとなります。

重要な連絡が埋もれる恐れ

LINEは時系列でメッセージが流れていくため、重要な連絡事項が他の投稿に埋もれて見落とされる恐れもあります。

次々と新しいメッセージが届くうちにアイデア提案や問題報告など大切な情報も流れてしまい、後から振り返るのが難しくなりがちです。

検索機能はありますが発言者や日付でのフィルタができず、過去ログから目的の情報を探すのは容易ではありません。

またLINEでは、新しくグループに参加した人は参加前の履歴を閲覧できず、それまでの経緯を把握できないという制約もあります。

こうした特性上、LINEは情報の蓄積や共有履歴の管理に向いておらず、大事な連絡事項が埋もれて伝わらないリスクがある点に注意が必要です。

LINEをビジネス利用する際のリスクを抑えるポイント

LINEをビジネス利用する際のリスクを抑えるポイント

上記のようなリスクに対処し、安全にLINEを活用するために、企業として以下のポイントを押さえておきましょう。

個人情報や機密情報は別のサービスを利用する

LINE上で機密事項や個人情報のやり取りは避けるのが鉄則です。

前述の通り、LINEは過去に不正アクセスや情報流出の事例も報告されており、安全性に万全を期すことは難しい側面があります。

外部に漏れては困る重要データの共有には、企業が公式に推奨するセキュリティ対策済みのツールを使うよう徹底しましょう。

たとえば顧客の個人情報や未公開の社外秘資料などは、社内のファイル共有システムやビジネスチャットのセキュアな環境で送受信するのが望ましいです。

LINEはあくまで簡易的な連絡のみに留めるのが無難とされています。

私用端末での業務連絡は避ける

社員の私物スマホ上のLINEで業務連絡をすることは極力避けましょう。

理由の一つ目は、私用端末では企業側でセキュリティ管理ができず、情報漏えいやアカウント乗っ取り被害を防ぎにくいためです。

二つ目の理由は、勤務時間外の連絡や通信費の負担が発生し、公私の区別がつかなくなることで労務管理上のコンプライアンス問題につながり得るためです。

実際、私物スマホで仕事のLINE連絡をしていると、休暇中でも上司からのメッセージに対応せざるを得なくなり、社員のストレスや働きづらさの原因になるとの指摘もあります。

会社支給の端末や公用アカウントの利用を基本とし、やむを得ず個人端末で使う場合は端末ロックや強力なパスワード設定など十分なセキュリティ対策を講じさせることが大切です。

友だち追加機能をオフに設定する

業務用途でLINE(特に個人アカウントやビジネス用アカウント)を使う際は、自動で友だち追加される機能をオフにしておきましょう。

LINEアプリは初期設定で「電話帳の連絡先を自動追加」する仕様になっており、スマホの電話帳に登録した相手とは自動的にLINE上でもつながってしまいます。

例えば名刺交換した取引先担当者を電話帳に登録すると、高確率でLINEの友だちに追加されてしまうのです。

この状態でうっかり仕事上のメッセージを誤送信すれば、本来無関係の相手に機密情報が漏れる恐れがあります。

不要な相互接続を避けるため、業務用のLINEアカウントでは自動追加オフ設定を徹底しましょう。

従業員の情報リテラシー教育を強化する

社員一人ひとりに対し、LINE利用における情報セキュリティリテラシー教育を充実させることも重要です。

具体的には、フィッシング詐欺への注意喚起やパスワード管理の徹底、機種変更時の引き継ぎ方法の指導などが挙げられます。

LINEでは他人のアカウント乗っ取りによる被害も起こり得るため、不審なメッセージ内のURLは開かない、身に覚えのない友だち追加リクエストは安易に承認しない等、基本的な対策を周知徹底しましょう。

また、管理者権限で利用状況を監視できるLINE WORKSなどでは定期的なログ確認を行い、異常があれば速やかに対処する仕組みづくりも有効です。

社員のITリテラシーを底上げすることで、ヒューマンエラーやソーシャルハッキングによる情報漏えいリスクを大きく減らせます。

ビジネスマナーに配慮したLINEの使い方を徹底する

プライベート感覚で使えるLINEだからこそ、ビジネスマナーを意識した利用が欠かせません。

たとえば、上司や取引先に対しては絵文字や顔文字、スタンプの多用は控えるなど、相手に不快感を与えない配慮が必要です。

また、届いたメッセージを長時間放置すれば相手に不誠実な印象を与えかねませんが、かといって深夜や早朝に返信するのもマナー違反となる可能性があります。

勤務時間内での迅速なレスポンスを心がける一方、送信時間帯にも注意しましょう。

さらに、グループチャットでは話題が混在しないよう発言のタイミングや頻度に気を配り、必要に応じて電話や対面に切り替える判断も大切です。

ビジネスシーンにふさわしいLINEの使い方を社員全員で徹底することで、余計なトラブルや誤解を防ぐことができます。

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まとめ:LINEのビジネス利用に伴うリスクと対策を正しく理解しよう

LINEは、個人間の連絡手段として広く浸透しているだけでなく、業務連絡や顧客対応の場面でも便利なツールとして活用されています。

しかし、ビジネス用途として利用するには、情報漏えいや誤送信、乗っ取り、端末紛失など、見過ごせないリスクが潜んでいることを理解しておく必要があります。

便利なツールであるからこそ、適切な運用ルールを整備し、社内全体で安全な使い方を共有・実践することが、中小企業にとってLINEを最大限に活用するための第一歩となります。

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萩原 理香子

編集者 萩原 理香子

CATS株式会社 マーケティング戦略室

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