GA4クロスドメイン設定とは?仕組み・手順・確認方法をわかりやすく解説
GA4の「クロスドメイン設定」は、ユーザーが複数のドメインを行き来しても、同じユーザーとして正しく計測するための重要な設定です。
たとえば、メインサイトと問い合わせフォームが別ドメインの場合、設定をしていないと成果が分断され、正確なデータ分析ができません。
この記事では、クロスドメインの基本から、GA4での設定手順・確認方法・注意点までをわかりやすく解説します。初心者でも迷わず設定できるよう、実践的な手順でまとめましたのでぜひ参考にしてください。
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Index
1-1. そもそもクロスドメインとは?
1-2. サブドメインとの違い
2-1. 問い合わせや購入ページが別ドメインの場合に計測が途切れるため
2-2. 広告や流入経路を正しく評価するため
2-3. 成果を一貫して追跡するため
3-1. 管理画面 → データストリームを開く
3-3. 対象ドメインを追加して保存する
3-4. 両方のサイトに同じGA4タグを設置
4-1. 別ドメインへリンクをクリックして移動する
4-2. 遷移後URLに「_gl=」パラメータが付いているか確認する
4-3. GA4のレポートで同一ユーザーとして記録されているか確認する
4-4. Tag Assistant Legacyで確認する
5-1. 全ドメインに同じ測定IDを使用する
5-2. _glパラメータを削除・改変しない
5-3. サブドメインは自動計測される場合もある
5-4. 別ドメイン側の設定も確認する
6. まとめ
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GA4クロスドメイン設定とは?
まずGA4におけるクロスドメイン設定の基本を押さえておきましょう。ここでは、そもそもクロスドメインとは何か、サブドメインとの違い、そして従来のUAとの相違点について解説します。
そもそもクロスドメインとは?
「クロスドメイン」とは、複数の異なるドメインをまたいだユーザー行動を一つながりのものとして計測するための仕組みです。
通常、ウェブ解析ではCookie(クッキー)という仕組みを用いてユーザーを識別していますが、Cookieは基本的にドメインごとに発行・保存されます。
そのため、同じユーザーがサイトAからサイトBへ移動した場合、ドメインが異なると別々のCookie・IDが割り当てられてしまい、解析上は「別のユーザーによる別の訪問」として扱われてしまいます。
クロスドメイン設定を行うと、このようなドメイン間の移動時にも同一のユーザーとしてデータを計測できるようになります。
GA4ではリンクを介して他ドメインへ遷移する際、自動でURLに特別なパラメータ(_gl)を付与し、このパラメータ経由でCookie情報を引き継ぐことで同一ユーザーとして識別します。
サブドメインとの違い
サブドメイン(例: shop.example.com は example.com のサブドメイン)の場合、基本的にはクロスドメイン設定を行わなくてもユーザーを継続的に追跡できる場合があります。
これはメインのドメインとサブドメインでCookieを共有できるためであり、同じGA4の測定IDタグを両方に設置していればクロスドメイン設定は不要です。
実際、GA4ではデフォルトでルートドメインを共有するサブドメイン間では同一のCookieが参照されます。
その結果、ユーザーがメインサイトとサブドメイン間を移動しても同じユーザーとして認識され、セッションが切れずに計測できます。
UA(ユニバーサルアナリティクス)との違い
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)でもクロスドメイン追跡は可能でしたが、GA4とは設定方法や挙動が異なります。
UAではタグ側でクロスドメイン用のコードを実装し、さらに別ドメインを自己参照として除外する設定を行う必要がありました。
これに対しGA4では管理画面から対象ドメインを登録するだけでクロスドメイン計測を有効化でき、UAよりも設定が簡単になっています。
またGA4ではクロスドメイン設定を済ませておけば、UAのように参照元除外を個別に設定しなくても自動的に別ドメインからのアクセスを参照トラフィックとしてカウントしない仕組みになっています。
なお、UAのクロスドメインではリンク先URLに_gaというパラメータが付与されていましたが、GA4では上述のとおり_glパラメータが使用される点も違いです。
GA4クロスドメイン設定が必要な理由
なぜGA4でクロスドメイン設定を行う必要があるのでしょうか?具体的な利用シーンを踏まえて、その重要性と導入によるメリットを解説します。
問い合わせや購入ページが別ドメインの場合に計測が途切れるため
Webサイトによっては、本サイトとは別のドメイン上に問い合わせフォームやECの購入ページが存在することがあります。
このようにユーザーの動線上でドメインが切り替わる場合、クロスドメイン設定をしないとそこでセッションが途切れてしまいます。
たとえば、自社サイトから外部の決済システムに遷移するケースでは、設定をしないとユーザーが決済ページに移った時点で新しい訪問として扱われ、以降の行動が別セッション・別ユーザーとみなされます。
結果として、本来はひと続きであるコンバージョンまでの流れを正しく追跡できなくなってしまうのです。
GA4でクロスドメイン計測を有効にすれば、サイト間をまたぐユーザーの動きを一貫して捉えることができ、流入から問い合わせ・購入完了までの一連のユーザージャーニーを正確に計測可能になります。
広告や流入経路を正しく評価するため
クロスドメイン設定をしない場合、ドメイン間の移動によってトラフィックの参照元情報が切り替わってしまい、マーケティング効果の正確な評価が困難になります。
たとえば「検索エンジンからサイトAに訪れ、そのサイトAからサイトBに遷移した」というユーザーのケースでは、クロスドメイン未設定だと、サイトBへのアクセスはサイトAからのリファラルとして計測されてしまい、本来の起点である「検索エンジンからの流入」がサイトB側で把握できなくなります。
このようにオウンドメディア間の遷移で参照元が上書きされてしまうと、広告経由や自然検索経由で獲得したユーザーが正確に評価できません。
クロスドメイン設定によって元の流入経路情報を維持したままユーザー行動を追跡できるため、広告効果や集客経路の分析精度が向上します。
成果を一貫して追跡するため
複数ドメインにまたがるサイト構成では、ユーザーが辿るコンバージョン経路もドメインを跨ぐケースが少なくありません。
クロスドメイン設定を行うことで、ユーザーのサイト横断的な動きを一貫したセッションとして追跡でき、コンバージョンまでの成果を漏れなく捉えることができます。
特にBtoBサイトで製品情報サイトと問合せフォームが別ドメインの場合や、企業サイトとサービス提供サイトを分けて運営している場合など、サイト間を移動しながら最終的なコンバージョンに至るユーザーが多いでしょう。
クロスドメイン計測を正しく設定しておけば、そうしたユーザー行動全体をGA4上で一人のユーザーの連続した行動として分析できます。
GA4でのクロスドメイン設定手順
GA4でクロスドメイン計測を行うには、管理画面で対象ドメインを登録する設定と、各ドメインのページに同じGA4タグを設置することの両方が必要です。以下に具体的な手順を説明します。
管理画面 → データストリームを開く
まずGA4の管理者権限を持つアカウントでGA4プロパティにログインし、画面左下にある歯車アイコン「管理」をクリックします。
管理メニューが開いたら、「データストリーム」を選択してください。
クロスドメイン計測を設定したいウェブのデータストリームの一覧が表示されるので、その中から該当するサイトのデータストリームをクリックします。
「タグ設定を行う」→「ドメインの設定」をクリック
選択したウェブデータストリームの詳細画面が表示されたら、下方にスクロールして「タグ設定を行う」というカードを探します。
この「タグ設定を行う」をクリックすると、Googleタグの設定画面が開きます。
ここで複数の設定オプションが一覧表示されますので、その中にある「ドメインの設定」をクリックしてください。
この操作によって、クロスドメイン測定に関するドメインの登録画面が表示されます。
対象ドメインを追加して保存する
「ドメインの設定」の画面では、クロスドメイン計測を有効にしたいドメインを登録します。画面上部に既に自動検出された候補ドメインが表示される場合もあります。
手動で追加する場合は「条件を追加」ボタンを押し、プルダウンでマッチタイプを選択してから、入力欄にドメイン名を記入します。
追加したいドメインごとにこの操作を繰り返し、すべての該当ドメインをリストアップしましょう。
登録が完了したら、画面右上の「保存」ボタンをクリックして設定を確定します。これでGA4プロパティ側のクロスドメイン設定は完了です。
両方のサイトに同じGA4タグを設置
GA4管理画面でドメイン設定を行っただけでは、タグの設置が不十分なサイトでは計測が行えません。
クロスドメインで計測したいすべてのサイトの全ページに、同一のGA4計測タグを設置する必要があります。
測定ID(G-XXXXXXXX形式)は共通のGA4プロパティに紐づくものを使い、ドメインごとに別々のIDを使わないよう注意しましょう。すべての対象ページへのタグ実装が完了すれば、クロスドメイン計測の準備は整います。
GA4でクロスドメインが設定できているか確認する方法
設定が正しく機能しているかを確認することも重要です。以下の方法で、クロスドメイン計測が意図通り動作しているかチェックしましょう。
別ドメインへリンクをクリックして移動する
まずは実際にサイトAからサイトBへのリンクをクリックして遷移し、クロスドメインの挙動をテストします。
クロスドメイン設定を行ったドメイン間で相互にリンクを設定し、ブラウザでサイトAを開き、そのリンクをクリックしてサイトBへ移動します。
この一連の操作で、GA4が正しく動いていればクロスドメイン用のパラメータが付与されるはずです。
次の項目で具体的に確認します。
遷移後URLに「_gl=」パラメータが付いているか確認する
サイトAからサイトBへ移動した後、サイトBのページURLに_gl=で始まるパラメータが付与されているかを確認してください。
例えば遷移先のアドレスが https://www.exampleB.com/thankyou だとすると、クロスドメイン計測が有効なら https://www.exampleB.com/thankyou?_gl=XXXXXXXX といった形で_glパラメータがURLに含まれているはずです。
この_glパラメータこそがGA4でユーザー識別情報を運ぶためのものです。
パラメータが確認できれば、GA4がサイト間遷移時にCookie情報を引き継いだことを意味し、クロスドメイン設定が正常に機能していると判断できます。
もしこのパラメータが付いていない場合は設定に問題がある可能性が高いです。
GA4のレポートで同一ユーザーとして記録されているか確認する
URLパラメータを確認したら、GA4上のデータでもユーザーが一貫して計測されているかを見てみましょう。
確認方法の一つは、GA4のリアルタイムレポートやデバッグビューを使用して実際のイベントの流れを追跡することです。
サイトAで発生したイベントと続けてサイトBで発生したイベントが、GA4のリアルタイム画面上で同じユーザーのアクティビティとして連続して表示されていれば成功です。
さらに細かく検証するには、GA4の標準レポートで参照元の状況を確認する方法があります。
たとえばコンバージョンに関わるレポートで「セッションの参照元/メディア」をセカンダリディメンションとして表示し、クロスドメインで遷移した後のページビューやコンバージョンにおいて別ドメインがリファラル(referral)として記録されていないことを確かめます。
クロスドメイン設定が正しく機能していれば、ドメイン間の移動によって新規セッションが始まらず、元の流入経路が維持されたままデータが計上されているはずです。
Tag Assistant Legacyで確認する
別の検証方法として、Google Chrome拡張機能「Tag Assistant Legacy」を利用する方法もあります。
Tag Assistant LegacyをChromeブラウザにインストールし、有効化すると、閲覧中のページに実装されたGoogle関連タグの動作状況を確認できます。
ここでGA4タグが正常に動作しているか、エラーが発生していないかをチェックしましょう。Tag Assistantの診断結果も参考にしながら、必要に応じて設定を修正してください。
GA4でのクロスドメイン設定の注意点
最後に、GA4でクロスドメイン計測を導入・運用する際の主な注意点をまとめます。設定漏れやトラブルを防ぐために以下のポイントを押さえておきましょう。
全ドメインに同じ測定IDを使用する
クロスドメインでユーザーを一貫追跡するためにはすべての対象ドメインで同一のGA4測定IDを使用する必要があります。
一つのGA4プロパティに統一して計測することで、ドメイン間でユーザーデータが紐付きます。もしドメインAとドメインBで別々のGA4プロパティIDを使ってしまうと、クロスドメイン計測は成立しません。必ず同じタグIDを全サイトに設置していることを確認してください。
また、GA4の管理画面「ドメインの設定」に登録したドメイン名のスペルミスや誤りがないかもチェックしましょう。設定したつもりでも、入力ミスがあるとうまく機能しません。
_glパラメータを削除・改変しない
GA4が付与する_glパラメータは、クロスドメインでユーザー識別情報を伝達するための重要な役割を担っています。従って、遷移先のURLに含まれる_glパラメータを意図的に削除したり書き換えたりしないようにしましょう。
特に、外部システムやリダイレクト処理を挟む場合には注意が必要です。遷移先でリダイレクト設定やURL書き換えが行われていると、自動付与された_glパラメータが途中で消えてしまう場合があります。
サブドメインは自動計測される場合もある
サブドメインについては、クロスドメイン設定が不要なケースが多いです。同一プロパティで計測している限り、Cookie共有によりユーザーが継続トラッキングされます。
GA4でも標準で自己参照セッションを除外する設定が適用されており、同一ドメイン内のサブドメイン移動は参照トラフィックと見なされません。
ただし、例外的にサブドメイン側が別のCookieドメイン扱いになっている場合や、サブドメインのみ別プロパティで計測している場合には、クロスドメインの設定が必要になります。
別ドメイン側の設定も確認する
GA4のクロスドメイン計測では、片方のサイトで設定を行えばもう一方にも自動で適用される仕組みになっています。
UAの頃は両方のドメインでそれぞれ設定が必要でしたが、GA4では一方のサイトで別ドメインを登録すれば双方向にクロスドメイン計測が有効化されます。
例えばサイトAのGA4プロパティでサイトBをクロスドメイン対象として追加すれば、サイトB→サイトAへの遷移も同じユーザーとして計測されます。
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まとめ
GA4におけるクロスドメイン設定は、複数ドメインにまたがるユーザー行動を正確に捉えるための重要な手段です。
サイト内の問い合わせフォームやECサイトのカートなど別ドメインに遷移するポイントがある場合、適切にクロスドメイン計測を実装すればユーザーの流れが分断されることなく一貫したデータ分析が可能になります。
その結果、広告の効果測定やコンバージョン経路の分析精度が上がり、Webマーケティング施策の改善に役立つでしょう。
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