サードパーティクッキーとは?廃止の背景やマーケティングへの影響・対策を分かりやすく解説します!

2025年10月27日

Web広告やアクセス解析の基盤として使われてきた「サードパーティクッキー」は、2025年にかけて主要ブラウザで段階的に廃止されます。

これにより、リターゲティングや広告効果測定がこれまで通りに行えなくなるなど、多くの企業が対応を迫られています。

しかし、単なる「代替策探し」ではなく、これを機にデータ活用の在り方を再設計する動きも広がっています。

本記事では、サードパーティクッキーの仕組みや規制の背景、廃止による影響、そしてファーストパーティデータやサーバーサイドトラッキングなどの代替手法を体系的に整理。

ポストCookie時代に必要なマーケティング戦略を、実務視点でわかりやすく解説します。

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サードパーティクッキーとは?基礎と現状

サードパーティクッキーとは?基礎と現状

近年話題となっている規制の背景を理解するには、Cookie全体の構造と用途を知っておくことが不可欠です。

サードパーティクッキーとは何か、その基本的な仕組みや役割について解説します。

Cookie の基本と役割

Cookie(クッキー)とは、Webサイトがユーザーのブラウザに保存するデータです。

これにより一度ログインしたサイトに再訪した際に再ログインせずに済んだりショッピングカートに入れた商品を保持したりと、ユーザーの利便性を高める仕組みになっています。

サイト運営側にとっても、ユーザーの閲覧履歴や設定情報をもとにサービス改善や最適化が可能になる重要な技術です。

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ファーストパーティ vs サードパーティの違い

Cookieには発行主体により「ファーストパーティ」と「サードパーティ」の2種類があります。

ファーストパーティCookieはユーザーが訪れているウェブサイト自身が発行するCookieで、ログイン情報や言語設定、カートの中身保存などサイト内部だけで利用されます。

一方、サードパーティCookieは閲覧中のサイトとは異なる第三者のドメインが発行するCookieです。

例えばWebページに広告タグが埋め込まれていると、ページの表示時にその広告サーバーからもCookieがユーザーのブラウザに発行されます。

サードパーティCookieは複数のサイトをまたいでユーザーを追跡できる点がファーストパーティCookieと異なり、これまでマーケティング用途で広く活用されてきました。

サードパーティクッキーの用途と仕組み

サードパーティCookieは主に広告配信や効果測定の分野で重要な役割を果たしてきました。

広告タグを介して第三者ドメインから発行されるCookieにより、ユーザーのサイト横断的な行動履歴を蓄積できます。

その結果、過去に閲覧した商品の広告が別サイトで表示されるリターゲティング広告や、興味関心に応じたパーソナライズ広告が可能になります。

また「どの広告経由でユーザーが購入に至ったか」といった広告効果測定にも欠かせず、適切な頻度制御にも利用されてきました。

このようにサードパーティCookieは長年、Webマーケティングにおいてユーザー追跡とデータ活用の要でした。しかし近年、プライバシー保護の観点からこの仕組みに大きな転換点が訪れています。

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サードパーティクッキー規制と最新動向

サードパーティクッキー規制と最新動向

サードパーティクッキーの規制強化の動きに関して、各ブラウザベンダーの対応状況や、プライバシー保護の背景にある社会的・法的な変化について紹介します。

ブラウザベンダーの対応(Safari, Firefox, Chrome)

主要ブラウザ各社はユーザーのプライバシー保護強化のため、サードパーティCookieの制限を段階的に進めてきました。

AppleのSafariは2020年にサードパーティCookieを全面的にブロック済みで、以前からITP(Intelligent Tracking Prevention)によりCookieの有効期限短縮も実施しています。

Firefox(Mozilla)も2019年からデフォルトでトラッキングCookieを遮断する設定を導入し、Microsoft Edgeも追随して追跡防止のオプションを提供しています。

一方、ブラウザシェア約55%を持つGoogle Chromeはユーザー自身が設定で管理する方針へ変更すると表明すると同時に、引き続きプライバシー保護機能の強化に取り組むとも述べています。

つまりChromeで即座にサードパーティCookieが消え去るわけではないものの、「徐々に使えなくなる」流れ自体は変わらないと見ておく必要があります。

プライバシー保護と規制の背景

サードパーティCookie規制の根底にあるのは、ユーザープライバシー意識の高まりとそれに伴う法規制の強化です。

知らない間に行動履歴が広告ターゲティングに使われていることへの不安や反発から、「監視されているようで嫌だ」と感じるユーザーも増えました。

このような声を受け、欧州ではGDPRによりトラッキング目的のCookie利用には明示的な同意が必須となり、米国でもCCPAなど州法で個人データ利用制限が進みました。

日本でも2022年施行の改正個人情報保護法でCookieが「個人関連情報」に位置づけられ、第三者提供時の同意取得が必要になるなど規制が強化されています。

加えてSafariやFirefoxのようにブラウザ側で技術的に追跡を遮断する動きもあり、「法規制+ブラウザ設定」双方からサードパーティCookieは使いにくくなっているのが現状です。

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廃止・制限がもたらす影響

廃止・制限がもたらす影響

ここでは広告配信や計測、さらにはマーケティング戦略全体への影響など、サードパーティクッキーの利用が制限されると、具体的にどのような影響が出るのかを詳しく解説します。

広告計測・リターゲティングへの影響

サードパーティCookieが使えなくなると、まずリターゲティング広告への影響が顕著です。

一度自社サイトを訪れたユーザーを追跡し、他サイト上で再度アプローチするこの手法は、Cookieによるユーザー識別が前提でした。

しかし追跡が難しくなると「誰がどの商品を見たか」を特定できず、かつてのようにカゴ落ちユーザーにピンポイントで広告を出すことが困難になります。

その結果、広告のクリック率やコンバージョン率低下によって顧客獲得コストの上昇が懸念されています。

また広告効果の計測にも支障が出ます。例えば「どの広告を見たユーザーがいつ購入したか」という一連の流れを追うクロスサイト計測がCookie無しでは正確に捉えづらくなります。

実際、Cookie規制の影響下で広告レポート上のコンバージョン数と実売データに乖離が生じた事例もあり、このように計測がずれると広告効果の正しい判断が難しく、ひいてはAIによる自動最適化にも悪影響が及びます。

アトリビューション分析の不確実性

サードパーティCookieの制限はマーケティングのアトリビューション分析にも不確実性をもたらします。

従来はユーザーのブラウザに共通IDを保持することで、複数サイト・複数接点にまたがるユーザー行動を追跡し、「初回接点はSNS広告、途中で検索流入、最終的に直接訪問で購入」というようなタッチポイント分析が可能でした。

ところがCookie規制によりドメイン横断でのユーザー行動追跡が難しくなり、チャネル横断の貢献度評価の精度低下は免れません。

特に広告クリックからコンバージョンまでの期間が長い商材では、中間経路の把握が困難になるためマーケ施策の最適配分が一層チャレンジングになります。

今後はこうした計測不能領域を補完する手法や、従来とは異なるKPI設計が必要になるでしょう。

マーケティング全体への波及リスク

サードパーティCookie廃止の影響は、個別の広告施策だけでなくマーケティング戦略全体に波及します。

まず、計測データの不確実性が増すことで各施策のROI比較や予算配分の意思決定が難しくなります

実際、多くの企業で広告プラットフォーム上のコンバージョン数と自社の解析ツール上の数値にズレが生じ、正確な効果検証が困難になるケースが増えています。

さらに、リターゲティングや行動ターゲティング広告の威力減退により新規顧客獲得の難易度が上昇する可能性があります。

また、成果報酬型のアフィリエイト広告でもCookie計測に頼っていた部分があり、どの経路から成果が発生したか判別しにくくなることで、適切な報酬支払いが難しくなる課題も出ています。

総じて、デジタルマーケティングの様々な領域でパフォーマンス低下や運用コスト上昇のリスクが顕在化しつつあり、企業全体のマーケティングROIに影響を及ぼす可能性が高まっています。こうした「ポストCookie時代」に備え、マーケターは早急に新たな対策を講じる必要があるでしょう。

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ポストCookie時代の代替技術・手法

ポストCookie時代の代替技術・手法

Cookie規制による影響を最小限に抑えるためには、代替となる技術や運用方法へのシフトが求められます。

ここではファーストパーティデータの活用やサーバーサイドトラッキングといった、ポストCookie時代に注目される手法を紹介します。

ファーストパーティデータの活用

サードパーティCookieに頼れなくなる今、ファーストパーティデータの重要性が高まっています。

具体的には、会員登録や購入履歴、サイト閲覧履歴など、自社ドメイン下で蓄積したデータを統合・分析し直すことで、Cookieに代わるユーザー理解とパーソナライゼーションに活用します。

ユーザーの明示的な同意とプライバシーへの配慮が前提となりますが、同意を得られた範囲の自社データを強化することがこれからのマーケティングのカギを握ります。

サーバーサイドトラッキング

サーバーサイドトラッキングとは、ユーザーのブラウザではなく自社のサーバー側でユーザー行動やコンバージョンを計測する手法です。

これによりブラウザの制限を回避し、データ欠損を補うことが期待できます。代表的なものが各種広告プラットフォームが提供するコンバージョンAPIです。

例えばFacebook(Meta)のCAPIやGoogleのEnhanced Conversionsでは、ユーザーのブラウザを介さず広告主のサーバーから直接プラットフォーム側にコンバージョン情報を送信できます。

この仕組みにより広告配信の最適化や機械学習モデルの精度維持にもつながり、Cookieなしでも成果改善が見込めます。

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実践的な対応ロードマップ

実践的な対応ロードマップ

代替技術を把握した上で、次に重要なのは「自社で何から手をつけるべきか」という実践的な対策のステップです。

ここでは、段階的にCookie依存から脱却するための具体的なロードマップを紹介します。

依存箇所の棚卸しと優先順位設計

まず取り組むべきは、自社のマーケティング施策においてどこでサードパーティCookieに依存しているか棚卸しすることです。

具体的には、利用中の広告タグや分析ツールの中でサードパーティCookieを使ってユーザー識別・計測を行っている箇所を洗い出します。

それらについて、Cookieが使えなくなった場合に生じるデータ欠損や各種影響を評価し、影響度の大きい順に優先度をつけて対策を検討しましょう。

重要度・緊急度が高いものから代替策の導入計画を立て、順次実装していくのが望ましいでしょう。

テスト・AB検証の進め方

対策の導入にあたっては、段階的なテストとABテストによる効果検証が不可欠です。

いきなり全ての仕組みを切り替えるのではなく、まず一部のトラフィックやキャンペーンで新旧手法を並行稼働させて比較するとよいでしょう。

例えばFacebook広告であれば、一部コンバージョンにコンバージョンAPIを導入してみて、従来のピクセル計測と成果数にどの程度差が出るか検証しましょう。

ABテスト結果から得られた知見をもとに、問題がなければ新手法を本格導入し、必要があれば追加対策やツール選定を検討します。

短期的には旧手法との併用期間を設けてリスクヘッジしつつ、将来的にはスムーズに移行できる計画を立てましょう。

継続モニタリングと運用体制づくり

Cookieレス対応は一度施策を講じて終わりではなく、継続的なモニタリングと改善サイクルが重要です。

ブラウザや規制のアップデートによって状況は刻々と変化するため、導入した対策が時間とともに効果低下していないかウォッチし続ける必要があります。

主要ブラウザやプラットフォームの発表する情報を定期的にチェックし、必要なら外部セミナーや勉強会に参加して知見をアップデートすることも重要です。

環境変化に柔軟に追随できる運用体制こそが、ポストCookie時代における持続的な広告運用の鍵となります。

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まとめ

サードパーティCookieは長年、ユーザーのサイト横断的な追跡によるパーソナライズ広告配信や精緻な効果測定を支えてきた技術でした。

しかしプライバシー保護意識の高まりを背景に世界的な規制強化とブラウザ各社の対応が進み、その利用は急速に制限されつつあります。

Cookieレス時代の到来により、リターゲティング精度の低下や広告計測の不確実性といった大きな影響がすでに出始めており、マーケターは今まさに新たな戦略への転換を迫られています。

また、今後も法規制や技術トレンドは進化し続けるため、マーケターは常に最新情報をキャッチアップし柔軟に戦略を調整していく必要があるでしょう。持続可能なマーケティングを続けるために、早期準備と対応を進めることが重要です。

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萩原 理香子

編集者 萩原 理香子

CATS株式会社 マーケティング戦略室

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