
3rd Party Cookieとは?廃止の影響や対応策をわかりやすく解説
Web広告の最適化や効果測定に欠かせない存在だった「3rd Party Cookie」ですが、近年、プライバシー保護の観点から規制が強まり、主要ブラウザや法制度の対応により、サードパーティCookieの使用が制限・廃止されつつあります。
本記事では、3rd Party Cookieの基本的な仕組みや広告における役割を解説したうえで、規制の背景や影響、今後取るべき対応策までを詳しく解説します。
変化の大きい「ポストCookie時代」を見据え、今押さえておくべきポイントをわかりやすくご紹介します。
Index
1. 3rd Party Cookieとは?基本情報と仕組み
1-1. Cookieの仕組み
1-2. 1st Party Cookieとは?
1-3. 3rd Party Cookieとは?
1-4. なぜ広告で重要なのか?
1-5. 規制が強まる背景
2. 3rd Party Cookieの規制に対する動向とは?
2-1. 世界で進むCookie規制の強化
2-2. 日本におけるCookie規制の現状
2-3. ブラウザ各社の動向
3. 3rd Party Cookieの廃止がもたらす影響とは?
3-1. リターゲティング広告への影響
3-2. Web広告の効果測定への影響
4-1. ① 代替技術を活用する
4-3. ③ コンバージョンAPIを活用する
5. まとめ
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3rd Party Cookieとは?基本情報と仕組み

まずは3rd Party Cookieとは何かを正しく理解することが重要です。
その仕組みや役割、そして広告業界での活用方法について順を追って説明します。
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Cookieの仕組み
Cookie(クッキー)とは、Webサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなデータのことです。
ログイン状態の維持や買い物カゴの中身の記録などに使われ、次回以降のアクセス時により便利にWebサイトを利用できるようにする仕組みです。
サイト側はこれを活用して、ユーザーの行動履歴や設定を分析し、よりよいサービスを提供できます。
1st Party Cookieとは?
ファーストパーティCookieは、ユーザーが今見ているWebサイト自身が発行するCookieです。
例えばAmazonで保存される買い物カゴやログイン情報などがこれに該当します。基本的にそのサイト内だけで使われ、第三者には共有されません。規制対象ではないため、現在も問題なく利用されています。
3rd Party Cookieとは?
サードパーティCookieは、ユーザーが訪問しているサイトとは別の、主に広告会社など第三者が発行するCookieです。
広告枠を通じて他のドメインが発行するため、複数のサイトをまたいでユーザーの行動を追跡できます。
これにより、過去に見た商品が別サイトでも広告として表示されるリターゲティング広告が可能になります。
なぜ広告で重要なのか?
サードパーティCookieは、ユーザーの興味関心をもとに広告を出し分けたり、広告効果を測定したりするうえで不可欠な技術でした。
例えば、どの広告が購入につながったかを把握したり、同じ人に広告を出しすぎないように制御したりと、広告の最適化に大きく貢献してきました。
Googleの調査では、これが使えないと広告収益が50%以上減るという結果も出ています。
規制が強まる背景
最近では、「どこまでも追いかけてくる広告」に対する不安や不快感から、ユーザーのプライバシー保護意識が高まっています。
これにより、世界中で法律による規制が進んでいます。
日本では2022年の改正個人情報保護法により、Cookieを第三者に提供する際の同意取得が求められるようになりました。
3rd Party Cookieの規制に対する動向とは?

サードパーティCookieに対する世界的な規制の流れや、日本国内の法制度、さらに主要ブラウザの対応状況について解説します。
世界で進むCookie規制の強化
世界中でプライバシー保護の意識が高まり、3rd Party Cookie(サードパーティクッキー)を巡る規制が強化されています。
EUでは「GDPR」により、トラッキング目的のCookie利用にはユーザーの同意が必須になっています。
アメリカでは全国共通の法律はまだないものの、カリフォルニア州の「CCPA」や「CPRA」などの州法がCookieの使用に制限を加えています。ユーザーが自分のデータが第三者に提供されることを拒否する権利が明確化されてきています。
アジアでも日本、韓国、オーストラリアをはじめ、欧州のルールに影響されたプライバシー保護法が導入されており、無断トラッキングを禁止する国が増えています。企業は、各国のルールに対応した同意管理システム(CMP)の導入が求められています。
日本におけるCookie規制の現状
日本でも、2022年に施行された改正個人情報保護法により、Cookieが「個人関連情報」として扱われるようになりました。
たとえCookie単体では個人を特定できなくても、他のデータと組み合わせることで個人が特定される可能性があるとされ、ユーザーの同意を得ずに第三者に提供することは原則禁止です。
さらに、2023年6月からは改正電気通信事業法が施行され、ユーザーの端末から取得した情報を第三者に提供する際には、その内容と目的を明示する義務が加わりました。
欧米ほど厳しくはないものの、日本国内でもCookie利用には透明性と同意が求められるようになっています。
ブラウザ各社の動向
各ブラウザはプライバシー保護の観点から、サードパーティCookieの制限を進めています。
AppleのSafariは2020年に完全ブロックを実施し、MozillaのFirefoxも2019年からデフォルトで追跡を遮断。Microsoft Edgeなども同様に制限を強化しています。
一方、GoogleのChromeは当初2022年廃止予定を2024年末に延期し、さらに2024年7月に一律廃止を撤回。ユーザーが設定画面で管理する形へ変更しました。
ただしGoogleは、代替技術「Privacy Sandbox」の開発を継続しており、Cookieに頼らない広告配信を目指しています。
3rd Party Cookieの廃止がもたらす影響とは?

Cookie廃止が現実味を帯びる中で、広告の成果やターゲティング精度にどのような具体的な影響が出るのかを理解しておく必要があります。以下では、主な影響ポイントを詳しく解説します。
リターゲティング広告への影響
サードパーティCookieが使えなくなると、もっとも影響を受けるのがリターゲティング広告です。
これは、一度自社サイトを訪れたユーザーを追跡し、別のサイトで広告を再表示する手法ですが、Cookieによるユーザー識別ができなくなると、こうした追跡が難しくなります。
これまでは「商品Aを見たユーザー」に対して別サイトでその商品の広告を表示できましたが、Cookie廃止によりその人が誰かを識別できず、広告の精度が下がる可能性があります。
その結果、広告効果やコンバージョン率が落ち、顧客獲得コストの増加が懸念されています。
代替策として、閲覧ページの内容に応じた広告(コンテキストターゲティング)や、会員データを活用した広告が検討されていますが、サードパーティCookieほどの追跡精度は望めず、戦略の見直しが必要です。
Web広告の効果測定への影響
サードパーティCookieは、広告の効果測定にも使われてきました。例えば「どの広告を見たユーザーが、いつ購入に至ったか」といった流れを追うためです。
しかしCookieが使えないと、広告クリックから購入までの経路を正確に把握しづらくなります。
実際、Cookie規制の影響で、広告レポートの数値と実際の売上データに50%以上の差が出た事例もあります。このようなズレが起きると、広告の効果判断が難しくなり、AIによる広告最適化にも悪影響を及ぼします。
さらに、同じユーザーに何回広告を表示したかも把握しにくくなり、広告が繰り返し表示されてしまうリスクもあります。
結果として、広告の無駄打ちやユーザーの不満につながる恐れがあるため、計測手法やKPIの見直しが今後ますます重要になります。
3rd Party Cookieの代替策とは?

サードパーティCookieの規制・廃止により、広告配信や効果測定に大きな影響が出ています。
広告主やマーケターは「ポストCookie時代」に向けて、新たな対策を講じる必要があります。ここでは、主な3つの代替策を紹介します。
① 代替技術を活用する
サードパーティCookieの代わりとして、いくつかの新しい技術が注目されています。
たとえば、複数のサービスで共通のIDを使ってユーザーを識別する方法や、端末やブラウザの情報をもとに推定する技術もあります。
さらに、Googleが進める「Privacy Sandbox」は、ユーザーを直接特定せずに広告配信や効果測定を可能にする新しい仕組みとして期待されています。
これらの技術により、Cookieに頼らずとも一定の広告精度を保つことができるようになってきています。
② ファーストパーティCookieを活用する
サードパーティCookieが使えない今、重要なのが自社サイトで発行できるファーストパーティCookieの活用です。
たとえばGA4(Googleアナリティクス4)などではファーストパーティCookieを使ってユーザー行動を追跡し、コンバージョンを把握できます。
広告効果の測定にも役立ち、SafariやFirefoxなどでもデータが残りやすいため、より正確な分析が可能です。
また、会員IDと行動データを組み合わせることで、自社内で広告成果を可視化できます。タグマネジメントやサーバーサイド分析など、環境整備も今後のカギとなります。
③ コンバージョンAPIを活用する
注目されているのがコンバージョンAPIです。これは、ブラウザを介さずに広告主のサーバーから広告媒体のサーバーへ、コンバージョン情報を直接送信する仕組みです。
Facebook(Meta)のCAPIやGoogleのEnhanced Conversionsなどが代表例です。Cookieが無効でも、購入者のメールアドレスなどを使えば広告経由のコンバージョンを正確に記録できます。
広告配信の最適化やリターゲティング精度の維持にもつながり、広告成果を最大化できます。最近ではノーコードで使えるツールもあり、導入ハードルは下がっています。
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まとめ
3rd Party Cookieは、ユーザーをサイト横断的に追跡し、パーソナライズ広告や効果測定に広く使われてきた技術です。
しかし近年、プライバシー保護への関心の高まりから、世界各国で規制が強化され、各ブラウザも順次使用制限を進めています。
これにより、リターゲティング広告の精度低下や広告の効果測定が難しくなるといった大きな影響が出始めています。広告主やマーケターは、「ポストCookie時代」に備え、対応策を講じることが求められます。
今後も変化が続くデジタル広告環境において、ユーザーの信頼を保ちながら、持続可能な広告運用を実現するために、早期の準備と柔軟な対応が不可欠と言えるでしょう。

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