LINEマーケティングとは?できる事や事例を紹介

2024年8月6日

国内でメインのコミュニケーションツールといえば、LINEヤフー株式会社が提供する「LINE」。

「LINE」は現在、国内の月間アクティブユーザー9,700万人以上を抱える、国内最大のコミュニケーションツールです。さらにアクティブユーザー率(1日1回以上利用するユーザーの割合)も約85%と非常に高く、もはやインフラ的な立ち位置をとるSNSでもあります。

企業やブランドもこのような「ユーザーに見てもらいやすい」「継続的に接触できる」というLINEの特長を活かしてサービスのプロモーションを行うLINEマーケティングが一般的になってきました。

本記事では、LINEマーケティングに多くの企業が取り組みを始める理由とメリット、そしてデメリットについて詳しく解説します。これからLINEマーケティングを始める方向けに、LINEマーケティングのメリットを最大限活かせるような情報をお伝えします。

LINE友だち追加計測ツール

LINEの友だち追加を媒体やクリエイティブごとに正確に計測し、広告施策の効果改善を実現するツール。
LINE友だち追加後の「予約」や「購入」などのユーザーアクションもCVとして計測でき、売上成果につながる広告媒体が明瞭化。施策は媒体別・キャンペーン別・クリエイティブ別に計測できるため、最適な予算投下が可能に。

LINEマーケティングとは?

LINEマーケティングとは、LINEアプリを活用して企業やブランドがユーザーとコミュニケーションを図り、商品のプロモーションやサービスの提供を行うマーケティング手法です。

企業はLINE公式アカウントを用意することで、友だち登録されたユーザーアカウントに対してコミュニケーションをとることが可能になります。

LINE公式アカウントはメッセージを配信するだけでなく、無料診断コンテンツや次回購入時・来店時に使えるクーポンを提供することで、「ブロック」されるのを防ぎ、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。

多くの企業が取り組みを始める理由

LINEマーケティングは他のマーケティング施策と比較して、新しい手法ですが、多くの企業が取り組みを始めている、もしくは取り組みを検討している施策です。

この章では、多くの企業がLINEマーケティングに注目している理由であり、LINEマーケティングのメリットとなる要素をご紹介します。

幅広い多くのユーザーにアプローチできる

全国15~69歳のLINEユーザーを対象にしたLINEユーザーの属性の調査結果

引用:LINE Business Guide

まずは、多くのユーザーにアプローチできる手法である点です。

先述したとおり、LINEは日本国内で9,700万人以上のユーザーを抱えている国内最大SNSです。

またインフラ的な立場をとっていることから、幅広い年齢層に利用されているため、他のSNSではリーチすることが難しかったセグメントにもアプローチが可能で、ターゲット層に合わせた効果的なマーケティングが実現できます。

集客(友だち登録)がしやすい

LINEの国内月間アクティブユーザー数

引用:LINEキャンバス

LINEアプリは日本の人口の約70%が利用しているため、LINE公式アカウントは非常に友だち登録されやすいです。

独自で開発したアプリと比較すると、ダウンロードや会員登録の手間が省けるため、ユーザーの離脱を防ぐことができます。

LINEの友だち登録は数秒で完了する上に、ユーザーにとって「予約」や「購入」などのアクションよりハードルが低いため、ユーザーの参加率を高めることができます。

メルマガより到達率・開封率が高い

LINE公式アカウントはメルマガより到達率・開封率が高い

引用:LINEキャンパス

従来、企業やブランドから多くのユーザーにコミュニケーションをとりたい場合、メルマガを配信することが一般的でした。

メルマガ配信は今でも一般的な集客方法の一つですが、以下のような理由で内容が読まれないことが多いです。

Point メルマガが読まれない理由

  • 迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう
  • メールアドレスが変更されていて届かない
  • 開封されない
  • 利用していないメールアドレスが登録されている

LINEはアプリを通じてメッセージを配信するため、迷惑メールフォルダに振り分けられたり、メールアドレスの変更で届かなくなる心配がありません。

機種変更時も内容が引き継がれるためユーザーがブロックしない限り繋がりを保てますし、メッセージは確実に届きます。

これにより、メルマガよりも高い開封率を実現し、集客に効果的です。

さらに、LINE公式アカウントを利用することで、ユーザーとの1to1コミュニケーションが可能になります。

メルマガや他のSNSでは、質問するためにメールを送るのはハードルが高かったり、SNSのコメント欄は公開されているため質問しにくかったりするという問題があります。

しかし、LINEではプライベートなチャット形式でコミュニケーションが取れるため、ユーザーが気軽に質問できます。

ユーザー側もLINE公式アカウントから個別の返信が来ることにより、「丁寧にフォローしてもらえている」という心理的な満足度も高まるため、メルマガよりLINEでのコミュニケーションを選択する企業が増えているのです。

マーケティングに必要な機能が充実している

LINE公式アカウントの機能一覧

引用:LINE Business Guide

LINE公式アカウントには、企業やブランドがマーケティング活動を行うために必要な多くの機能が備わっています。

LINE公式アカウントで活用できる、主要な機能について紹介します。

メッセージ配信でリアルタイムな情報発信が可能

LINE公式アカウントで活用できる、機能であるリッチメッセージについて解説

引用:LINEキャンパス

「メッセージ配信」では、テキストやスタンプに加え、画像やテキストを統合した「リッチメッセージ」や、複数の画像をカルーセル形式で表示する「カードタイプメッセージ」など、多様な形式が利用可能です。

LINEはメルマガよりも早く開封され、リアルタイムで予約キャンセルや限定商品の情報を配信し、ユーザーの行動を促進します。

また、性別や年齢、地域、友だち期間などで配信対象を絞ることも可能です。

ユーザーと1対1でコミュニケーションが取れる

LINE公式アカウントで活用できる、チャット機能を解説

引用:LINEキャンパス

「チャット」機能では、友だち追加したユーザーと1対1での会話が可能で、営業時間外などで即時対応が難しい場合は自動応答に切り替えられ、音声通話やビデオ通話が必要な時は「LINEコール」を利用できます。

特にチャットは、家族や友人とのやり取りと同様にスタンプを使って気軽にコミュニケーションできるため、ユーザーは店舗や企業を身近に感じやすくなります。

クーポンやショップカードで購入や来店を促す

LINE公式アカウントで活用できる、クーポン機能を解説

引用:LINEキャンパス

LINE公式アカウントでは、「クーポン」やポイントカードの代わりに「ショップカード」を簡単に作成して利用できます。

紙のクーポンやポイントカードと異なり、忘れたり紛失したりする心配がないため、ユーザーの利便性が向上し、利用率の増加も期待できます。効果的な特典内容を確認しながら、購入や来店の動機付けに役立てましょう。

管理画面から友だちの属性や各種機能の効果を確認できる

管理画面から友だちの属性や各種機能の効果を確認できる分析機能を解説

引用:LINEキャンパス

LINE公式アカウントの管理画面の「分析」機能を使えば、さまざまなデータを確認できます。友だちの性別、年齢、地域などの属性情報や、メッセージの開封数、クーポン利用者数を把握しながら運用を見直し、効果を向上させていきましょう。

これらの機能を活用することで、LINE公式アカウントだけでも多様なマーケティング施策を実行できます。ビジネスのニーズに合わせて、柔軟に活用できる点が大きなメリットです。これにより、ユーザーとのエンゲージメントを高め、より効果的なマーケティング活動が可能になります。

また、LINE公式アカウントは単なる「アカウント」ではなく、MA(マーケティング・オートメーション)や顧客管理機能の要件を満たしています。友だちになってくれたユーザーを見込み顧客としてリスト化する際に、セグメント精度の高いリストを作成できます。それに合わせたコミュニケーションのシナリオを設計することで、量・質ともに優れたメッセージを配信することが可能になり、顧客管理システムの代替役をさせることができます。

メッセージがすぐに開封される

LINEのメッセージは、受信するとプッシュ通知が表示され、アプリに未読バッジが付くため、すぐに開封されやすいという特徴があります。

従来のツールであったメールと比較すると、メールは開封されるまでに時間がかかることが多く、場合によっては数日から数週間後になることもあります。また、メール自体をあまり利用しないユーザーも増えています。

一方、LINEはメッセージを受信すると即座に通知が表示されるため、ユーザーがすぐにアプリを開いてメッセージを確認する傾向があります。

LINEの2021年のアンケートによると、LINE公式アカウントからのメッセージを受け取って「すぐ見る」と回答したユーザーが約2割、「3〜6時間以内に見る」と回答したユーザーが過半数、「その日のうちに見る」と回答したユーザーは約8割に達しています。

このように、LINEは迅速なメッセージ確認が期待できるツールです。

直接消費者とやり取りをできるのがLINEの特徴になるため、主にBtoC商材(サービス)のプロモーションで採用される手法になりますが、直近ではBtoB向けにLINEアカウントの活用を提案する支援会社も出てきているため、今後はより活用領域が広がる可能性も高いです。

LINEマーケティングの成功戦略

LINEマーケティングの成功戦略

LINEマーケティングを成功させるためには、戦略的なアプローチが必要不可欠です。まず、ターゲットとなるユーザー層を明確にし、そのニーズに合わせたコンテンツを提供することが重要です。また、定期的なメッセージ配信やキャンペーンの実施を通じて、ユーザーとの関係を深めることでよりエンゲージが高まり、顧客が企業に愛着を持つようになります。

LINEマーケティングの戦略の立て方

LINEマーケティングの戦略を考える際は、5つのステップが重要になります。

STEP1.LINEマーケティングをおこなう目的を明確にする


STEP2.目的を達成するための目標を立てる

STEP3.LINEマーケティングに使える予算や工数を考慮し施策を考える

STEP4.優先度を決め、施策を実行する

STEP5.効果測定をおこない、施策を改善する

 

このように、目的を明確にした後にPDCAを回すことを意識することで、より効果的な戦略を立てることができます。

特に重要なのは、具体的な目的です。「認知拡大」「新規獲得」「リピーター増加」など、目的は明確にしておきましょう。

伏せて以下の資料では「新規顧客獲得にLINE施策が有用な理由」について解説しています。

併せてご確認ください!

【DL資料】LINE公式アカウントの活用方法〜基礎編〜

LINEマーケティングの主な施策

1.LINE公式アカウントの運用

LINE公式アカウントは、LINEアプリ上で友だち追加してくれたユーザーに情報を届けられるサービスです。LINEマーケティングを実施するにあたり、欠かせないサービスとなります。LINE公式アカウントの開設は無料です。主に配信するメッセージ数によって費用が変動します。

2.LINE広告

LINE広告の種類3つ紹介

引用:LINE Business Guide

LINE広告は、「トークリスト」「LINE NEWS」「LINE VOOM」「LINEマンガ」など、LINEヤフー社が提供するサービス上で広告を配信できる広告配信プラットフォームです。LINEは幅広いユーザー層に利用されており、他媒体ではアプローチできないユーザーへもアプローチが可能です。

また、LINE広告はブランドやサービスの認知拡大を促進する役割を持ち、LINE公式アカウントの友だち数を増やすことにもつながります。

LINE広告は以下のように、さまざまな目的に合わせて出稿可能です。

 

LINE友だち追加広告に関してより詳しく知りたい方は「LINE友だち追加広告とは?LINE公式アカウントへの効果的な広告集客法を徹底解説!」の記事をご覧ください。

3.プロモーションスタンプ

LINEプロモーションスタンプ

引用:LINE Business Guide

プロモーションスタンプは、LINEのコミュニケーションに利用されるスタンプを「使われる広告」として配信できるサービスです。自社ブランドのキャラクターやLINEクリエイターとコラボして作成したスタンプを配布します。

ユーザーはスタンプを無料で得られる代わりに、友だち登録をしてくれます。お友だちを増やすことができるほか、スタンプは日常的に使われ多くのユーザーの頭に残るためブランドの認知度をあげることも可能です。

4.LINE公式アカウントを活用した顧客管理

LINE公式アカウントには顧客管理機能が備わっていますが、連携ツールを利用することでLINEマーケティングの効果を高めることができます。

など、様々なアプローチ方法を実施できます。

 

LINEでの顧客管理について詳しく知りたい方は「LINEで顧客管理(CRM)が必要な理由は?ツールも含めてご紹介」の記事をご覧ください。

LINE公式アカウントを活用した成功事例

実際にLINE公式アカウントを活用することでユーザーとのコミュニケーションに成功した事例を2つご紹介します。

 

事例①:株式会社ビームス

言葉のキャッチボールが、来店や購入のきっかけに。BEAMSの人気スタッフに聞く、LINE STAFF START活用

LINE公式アカウントを活用した成功事例でアパレルメーカーを紹介

引用:LINEヤフー for business_株式会社ビームス

株式会社ビームスが運営する店舗のスタッフは個別にLINE公式アカウントを持ち、顧客と直接コミュニケーションをとっています。

電話では難しい継続的なコミュニケーションが可能となり、商品の入荷情報を個別に案内することで、ユーザーからの感謝や注文報告が増加。

また、友だち登録時に「LINEの返信は私が行います」と添えることで、ユーザーにも「1to1コミュニケーション」を実感してもらい、つながりの強化に繋がっているようです。

LINE上のやりとりを経て「会いたいと思って来店しました」と言われることもあり、顧客満足度の向上や来店促進に寄与しています。

事例②:第一生命保険株式会社

 LINEでナーチャリングを加速させる第一生命のアカウント活用術

LINE公式アカウントを活用した成功事例で保険会社を紹介

引用:LINEヤフー for business_第一生命保険株式会社

第一生命保険株式会社は、コロナ禍で対面営業の機会が減少したことを受け、データドリブンなマーケティングにシフトし、2022年からLINE公式アカウントの運用を本格化しました。

短期間で友だち数を増加させるため、企業のブランディング要素を含まないスタンプ施策を実施し、1カ月で約330万人の友だち追加を達成。これにより、20〜30代のターゲットリーチ数が20倍に増加しました。

さらに、週1回のメッセージ配信では、商品訴求とユーザーにとってお得感のある情報を組み合わせることで、開封率をうまくコントロールしています。

これにより、LINE公式アカウントの効果的な運用を続け、顧客とのエンゲージメントを強化しています。

事例③:ヴォルテックス有限会社

ROAS274%増!告戦略革新からスピリチュアル業界のリーダーへ。ヴォルテックスのROAS改善施策とは

LINE公式アカウントを活用した成功事例でヴォルテックス株式会社を紹介

ヴォルテックス有限会社は、スピリチュアルや自己啓発に関するセミナーを多数開催していますが、新規受講者の獲得に課題を抱えていました。

特に、Meta広告を通じたリード獲得の効率が悪く、CPA(顧客獲得単価)が高騰していました。そこで、CATS社の「L-ad」を導入し、LINE友だち追加計測ツールを活用することで、広告効果を可視化しました。

その結果、リスト獲得単価が6790円から約3000円に改善され、1ヵ月で900名以上の新規リードを獲得。ROASも274%増加し、運用の効率化に成功しました。

この施策により、ヴォルテックスは新たな受講者との出会いを創出し、今後の成長に向けた基盤を築くことができました。

LINE友だち追加計測ツール『L-ad』

LINEマーケティングのデメリット

ここまで、LINEマーケティングの有用性をお伝えしてきましたが、どの施策も一長一短があるように、LINEマーケティングもその例から外れません。

LINEマーケティング施策を実施する前に、デメリットも確認しておきましょう。

デメリットは以下の3つです。

コストがかかる

LINE公式アカウントの運用には一定のコストがかかります。

登録は無料ですし運用においても無料プランがありますが、メッセージ配信数が限られているため、「LINEマーケティング」を行うためには、有料プランの利用が必要だと認識してください。

ブロックされる可能性が高い

頻繁にメッセージを配信しすぎると、ユーザーにとって煩わしいと感じられ、ブロックされるリスクが高まります。

ブロックされてしまうと、そのユーザーを集客した意味がなくなってしまうので、「自社が伝えたいこと」「ユーザーが知りたいこと」のバランスとその頻度が非常に重要になります。

データ分析が必要

効果的なLINEマーケティングを行うためには、配信後のデータ分析が欠かせません。

開封率やクリック率、エンゲージメント率などの指標を確認し、次回の戦略に反映させる必要があります。

このPDCAに時間と労力がかかるため、リソースの確保ができるかを確認しましょう。

また、LINEマーケティングを自社内で実施する場合は、LINEのデータに関連する知識を身に着けた担当者が必要になります。

ハードルが高い場合は、外部委託という選択肢もあります。

最近ではLINEマーケティングに関するコンサルティングサービスや、LINE拡張ツール(LINE公式アカウントと連携させることにより、アカウントの機能を拡張したり、LINE公式アカウントでは提供されていない機能を追加したりできるサービス)を提供する会社も多いので、相談してみても良いかもしれません。

まとめ

情報が溢れる現代において1to1のコミュニケーションが求められているなか、LINEマーケティングはユーザーのニーズをうまく汲み取り必要な情報を与える方法として非常に有用です。

ただし、コストや知識が一定数必要になってくるというデメリットも少なからずありますので、自社内で担うべき役割と外部委託すべき領域を棲み分けて計画しましょう。

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萩原 理香子

編集者 萩原 理香子

CATS株式会社 マーケティング戦略室

CATS株式会社 マーケティング戦略室

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