Case Study
実績・事例「BUY-X」革新的な不正転売防止ツールの誕生: アフィリエイト業界の信頼回復への挑戦
株式会社グラッドワン/株式会社トップキャスト
業種 代理店
導入プロダクト
不正転売は、アフィリエイト市場における長年の課題であり、特に初回購入限定価格を提供する事業者にとっては大きな課題の一つです。
この問題に対処するため、アフィリエイト関連事業を運営する3社が力を合わせ、「BUY-X」という革新的なツールを開発しました。
このツールは、不正転売を未然に防ぎ、アフィリエイト広告への”安心出稿”を実現することを目指しています。
今回、その開発秘話と、アフィリエイト業界に対する熱い思いを、株式会社トップキャスト 代表取締役 片山 雅弘 氏と、株式会社グラッドワン 代表取締役 川島 塁 氏にお話を伺いました。
―本日はよろしくお願いいたします!お三方はプライベートでも仲がよいと伺っております!
松本:そうですね、3社ともアフィリエイトに関わる事業に携わっていることもあり普段から情報交換も含め仲良くしていただいています。
- CATS社:アフィリエイト広告の計測ツール『AFAD』を提供
- トップキャスト社:アフィリエイトメディアを運営
- グラッド・ワン社:ASP事業を運営
川島:今回発表した「BUY-X」もアフィリエイト関連事業者として3社で「不正転売ってどうにかならないかな」と会話したことから開発が始まりました。
―”不正転売”といえば昨今一般的になってきた社会問題ですよね。
松本:はい。世の中的に「不正転売」は大きく2種類あると思っていて、
1つは「手に入りにくい希少性の高いものを買い占めて、通常価格以上の高値で販売する」というもの。ゲーム機器やチケットなどがイメージしやすいでしょうか。
一方、今回私たちが解決を目指したのは2つめの不正転売です。
EC事業者が、いわゆる「モニター価格」を用意している商品を転売目的で購入し、通常価格以下でフリマサービス等で販売するというものです。
最近、この不正転売の手法はますます組織的になっています。
特に、リーダー格の人物がLINEグループなどを通じて、低価格での商品購入が可能なウェブページを共有し、各転売者がそのリンクから商品を購入する手法が一般的です。
片山:前者の不正転売は、消費者が直接被害を受けるため、話題になりやすい。ニュースで取り上げられていることもよくあります。
ただ、後者の不正転売で困るのは一見、通販事業者だけなので、取り上げられる機会がほとんどないように思います。
消費者にとっては安く買えるし、転売ヤーにとってはお小遣い稼ぎになるし。「不正転売」しているという意識が薄い転売ヤーも多いのではないでしょうか。
川島:このような転売ヤーが増えると、通販事業者さんとしては【いいものを販売しても収益が上がらない】わけですよね。このせいで消費者にとって良いものが世の中に出てきづらくなるというリスクもあります。
モニター価格というのも、「良いものだからこそ多くのお客様に試していただきたい」ために用意しているものなので、そういう企業努力の賜物であるキャンペーン自体が打てなくなりますしね。
ニュースには取り上げられないけど、世の中に非常にマイナスな影響を与えている転売方式だと思っています。
―たしかに、今仰っていただいたような「不正転売」があることを認識している人は多くないかもしれないですね。
そのような転売に貴社達が対峙するきっかけは何だったのでしょうか。
片山:もともと、モニター価格での購入をコンバージョンポイントとしてアフィリエイト広告に出稿する通販事業者さんが多かったのですが、このような不正転売が横行してからアフィリエイト広告自体が非常にネガティブな印象になってきました。
これを受けて「不正転売をどうにかしないと業界への信頼が薄れる」という危機感を持ったことがきっかけです。
川島:アフィリエイト広告を出稿する場合は、初回購入→定期購入への転換率を想定して単価を調整するのが定石です。
しかし、不正転売は定期購入の意図を一切持たず初回価格で購入するので、広告の費用対効果が合わなくなります。
最近では、通販事業者側も不正転売を見越してアフィリエイト単価を調整されている感じがありますし、中にはアフィリエイト広告への出稿自体を辞めてしまう、という判断をする事業者さんがいてもおかしくないです。
―アフィリエイト市場自体のイメージをクリーン化するための試みだったわけですね。
川島:そうですね。「BUY-X」を開発・提供することで他ASP事業者との差別化にもなるというメリットも少なからずありますが、
まずはアフィリエイト業界の健全化のための一部として、不正転売に関する不安ごとを払拭するために開発に臨みました。
片山:私も業界の活性化の一助になることを期待して開発に携わりました。
このような事態が続けば、当然アフィリエイターへのフィーは減り、業界もシュリンクしますので、対策しなくてはいけない。
あと、最近では、初回転売を推奨するアフィリエイターもいるんですよ。
個人的には許せない思いではあるんですけど、これは注意喚起とかではなく、仕組みで防ぐ以外ないとも思いました。
―仕組みというと、従来も不正転売を防ぐ仕組みはあったと思いますが、「BUY-X」との違いはどのような点にあるのでしょうか?
松本:従来は、商品購入の際にフォームに入力される情報によって同一人物の複数回の購入を判別するなどをして不正を発見していました。
ただ、組織的に不正転売を行っていると入力項目を偽っても商品が手元に届く方法もあるので、不正検知が難しいケースも出てきています。
今回発表した「BUY-X」については、事前に登録されたリファラー情報(例えば、広告媒体の種類や記事のランディングページURL)と、ユーザーが実際に訪れたページの情報を照合することで不正を検知します。
本来であればクリックIDが付与されている状態で流入すべきLPに、クリックIDを持たない状態で流入することで情報の不一致が判明する仕組みです。
一致しないユーザーはモニター価格での購入が可能なページから通常価格の販売ページへ自動的にリダイレクトされます。
川島:この方法だと、ブラックリストの作成等の手間は必要ないです。しかも購入を禁止するのではなく、安く買えないようにするだけなので購入機会損失にならないですからね。
―画期的なシステムですよね、逆に弱点や欠点などはあるのでしょうか?
片山:組織のリーダー格となる人物から、初回限定価格を設定している商品名のリストが各転売ヤーに共有される場合、今の「BUY-X」では流入を防ぐことができません。
つまり、商品名で検索されてリスティング広告から流入されると、正規ユーザーなのか転売目的の流入なのか区別ができないのが現状です。
川島:ここに関しては早急に改善のために仕組みを考えていこうと思っています。それ以外にも、クライアントからの要望を聞きながらアップデートすることが非常に大切だと思っていますので、通販業者様から直接の声を聞きたいですね。
―今後も進化の可能性が大いにあるということですね。最後に、「BUY-X」にかける思いをお伺いしたいです!
川島:たくさん売って利益を得る!といった目の前のキャッシュではなく、「BUY-X」によってアフィリエイト業界に対するイメージのクリーン化に寄与できればいいなと思います。
最近では顔も見せない、中にはAIで作られたインフルエンサーによる無責任な広告も増えているので「アフィリエイト=悪」といったイメージを持たれている広告主様もいらっしゃることは事実かなと。
「BUY-X」でそれが全てクリーンなイメージになる訳ではないですけど、我々の使命として少しずつでもアフィリエイト広告に”安心出稿”していただく。
その要素の一つとして機能してくれることを期待しています。
株式会社グラッドワン
代表取締役:川島 塁
事業内容:広告代理業・ASP事業・コンサルティング事業・WEBソリューション事業・制作事業
本社:東京都中央区日本橋茅場町2丁目7番3号イースト・インタービル6階
URL:https://gradone.jp/
株式会社トップキャスト
代表取締役:片山 雅弘
事業内容:広告運用事業・ソフトウエア開発、保守・WEBマーケティングコンサルティング事業・SEOMEO対策事業
本社:兵庫県神戸市兵庫区羽坂通4丁目2番17号
URL:https://topcast.jp/
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