Google Analytics Data APIとは?GA4での設定手順も解説します
Google Analytics Data APIは、GA4のデータを自動で取得・分析・共有できる強力な仕組みです。
アクセス数やコンバージョン数をスプレッドシートやBIツールに連携し、手作業のレポート作成を自動化できます。
本記事では、Data APIでできることから、実務で使われる具体的な活用シーン、設定手順、注意点までをわかりやすく整理。GA4のデータを活用して業務を効率化したい方に向けて、初心者でも失敗しない導入ポイントを解説します。
Web広告施策で広告成果を改善されたい企業・代理店様向け!
GoolgeやMeta広告など出稿しているけど、実際のコンバージョン数と媒体数値が大幅に乖離して「正確な機械学習できない…」そんな悩みありませんか?
流入経路ごとに正確なCVを計測し、ROASが最大化される広告投資を実現できる
Web広告効果測定ツール「CATS」
Index
1. Google Analytics Data APIでできること
1-1. 自動レポート生成
1-2. BIツール連携
1-3. 条件分析
2. Google Analytics Data APIで実務を効率化できる状況
2-1. 毎週のレポートを手作業でまとめているとき
2-3. どのページやボタンが成果を出しているか知りたいとき
2-4. CRMや広告データとGA4の結果をまとめて分析したいとき
3. Google Analytics Data APIの設定方法
3-1. 1.Google Cloudプロジェクトを作成する
3-2. 2.「Google Analytics Data API」を有効化する
3-3. 3.サービスアカウントを作成する
3-4. 4.GA4側で権限を付与する
3-5. 5.コード・ツールから接続する
3-6. 6.動作確認をする
4. Google Analytics Data APIの注意点
4-2. 権限設定の不足でエラーになる
4-3. 利用制限(クォータ)がある
4-4. データの反映にタイムラグがある
4-5. 画面とAPIの数値が完全一致しない
5. まとめ
広告効果測定(計測)ツール
さまざまなWeb広告のクリック数とコンバージョン数が計測でき広告の最適化を実現する広告プラットフォーム。
広告の効果を媒体・クリエイティブ単位で正確に計測し、複数の広告効果を一元管理。
代理店用に管理画面を発行し商材評価ができるほか、媒体と直接連携しリアルタイムに広告成果を確認可能。

Google Analytics Data APIでできること
Google Analytics Data APIは、GA4のデータを外部ツールへ自動取得し、分析やレポート作成を効率化できる機能です。ここからは、APIを活用して実務でどう役立つかを具体的に紹介します。
自動レポート生成
Google Analytics Data APIを利用すれば、アクセス数・コンバージョン数・イベント指標などを自動で取得し、GoogleスプレッドシートやLooker Studioに反映できます。
PythonスクリプトやApps Scriptを使用して、日次・週次・月次の定期レポート生成も簡単に自動化することができます。手作業でのコピーや入力ミスを防ぎ、マーケターが分析や施策検討に集中できる点が大きな利点です。
BIツール連携
Data APIで取得したGA4データをLooker StudioなどのBIツールに接続すれば、より深い可視化と分析が実現します。
複数のデータソースを統合し、ROIやLTVをといった指標を自動集計することで、マーケティング判断のスピードが向上します。これにより、レポート作成や共有がリアルタイム化され、経営層や他部署との情報連携もスムーズになります。
条件分析
Google Analytics Data APIでは、期間・デバイス・流入経路などのディメンションやメトリクスを細かく指定してデータを取得できます。
たとえば「モバイル経由のCVR」や「特定キャンペーンからの流入数」を抽出し、施策単位の効果を定量的に評価できます。デフォルトのレポート画面では出せない細かな条件設定もAPIなら柔軟に対応でき、分析の自由度が大幅に高まります。
Google Analytics Data APIで実務を効率化できる状況
Data APIは、レポート作業やモニタリングを自動化したいマーケターに特に有効です。ここでは、具体的な業務シーンごとの活用例を紹介します。
毎週のレポートを手作業でまとめているとき
週次レポートを毎回エクスポートしている場合、Data APIで自動化するだけで作業時間を大幅に削減できます。APIを利用してGA4データをGoogleスプレッドシートに直接出力すれば、常に最新の数値を表示できます。
広告出稿や新LP公開の直後に反応を見たいとき
広告キャンペーン開始後すぐの成果を見たい場合、リアルタイムAPIでアクセスやCV数を確認できます。Slack通知やメール送信を組み合わせれば、トラフィック急増をチーム全体で把握できます。
どのページやボタンが成果を出しているか知りたいとき
イベントデータをAPIで取得することで、どのページやCTAボタンが高いクリック率を出しているかを数値で分析できます。GA4画面だけでは見落としやすいページ単位の変化も、Data APIを使えば自動的に記録可能です。CTAデザイン変更・位置最適化など改善施策にも直結します。
CRMや広告データとGA4の結果をまとめて分析したいとき
CRMや広告プラットフォームのデータとGA4データを統合することで、より深いROI分析が可能です。BigQueryやBIツールを利用してData APIで取得した数値を結合すれば、LTVやリピーター動向を多角的に把握できます。企業全体のマーケティング戦略をデータドリブンに強化するうえで有効な手法です。
担当者以外も毎日のアクセス状況を知りたいとき
Data APIのデータを自動でSlackやメール配信すれば、非マーケティング職でも最新のアクセス状況を把握できます。特に、経営層や開発チームとの情報共有を迅速化でき、意思決定が早まります。Google Apps Scriptを使えば、API実行→メール送信まで完全自動化が可能です。
Google Analytics Data APIの設定方法
ここからは、実際にGoogle Analytics Data APIを使うための設定手順を6ステップで解説します。
1.Google Cloudプロジェクトを作成する
まず、Google Cloud Consoleにアクセスして新規プロジェクトを作成します。プロジェクトはAPIの実行環境であり、認証情報や利用設定をまとめる場所です。作成後は、プロジェクト名とプロジェクトIDを控えておくと後の設定で便利です。
Google Cloud Consoleのプロジェクト作成画面
1.Cloud Console >「プロジェクトの選択」から「新しいプロジェクト」を選択
2.名前を入力して「作成」
2.「Google Analytics Data API」を有効化する
次に、作成したプロジェクト内で「APIとサービス」→「ライブラリ」を開き、「Google Analytics Data API」を検索して有効化します。
GA4用のData APIを有効化することで、最新のデータ構造に対応できます。
1.Google Cloud Consoleで「APIとサービス」を選ぶ
2.「ライブラリ」に移動する
3.「Analytics Data API」を検索して有効化
3.サービスアカウントを作成する
APIを使うには、認証を行うためのサービスアカウントが必要です。Cloud Consoleで「IAMと管理」→「サービスアカウント」→「作成」を選択し、JSON形式の鍵をダウンロードします。
このファイルには認証情報が含まれるため、第三者と共有せず安全に保管してください。後ほどPythonやスクリプトからこの鍵を読み込み、API認証に利用します。
4.GA4側で権限を付与する
ダウンロードしたサービスアカウントを、GA4の管理画面からユーザー追加します。
「管理」→「アカウントアクセス管理」→「+」ボタン→メールアドレスを入力し、「閲覧者」または「分析者」権限を付与してください。権限がない場合、API実行時にPermission deniedエラーが出ます。GA4とGCPの連携が成立して初めてデータ取得が可能になります。
5.コード・ツールから接続する
Pythonを使う場合、公式ライブラリ google-analytics-data をインストールし、認証JSONを読み込んで接続します。スプレッドシートで使う場合は、Google Apps Scriptで同様の設定を行います。
サンプルコードを活用すれば、runReport メソッドで簡単にGA4データを取得できます。実装言語に応じて環境変数で鍵を指定する方法も便利です。
6.動作確認をする
API設定後は、簡単なリクエストを実行して接続確認を行います。
例:runReport メソッドで dateRange="today"、metrics=["activeUsers"] を指定して送信します。
正しくデータが返れば設定完了です。もしエラーが出る場合は、認証ファイル・プロパティID・権限設定のいずれかを再確認しましょう。小規模データでテストしてから本運用に移すと安全です。
Google Analytics Data APIの注意点
Data APIを使う際はいくつかの制約があります。トラブルを防ぐために事前に把握しておきましょう。
旧ユニバーサルアナリティクス(UA)では使えない
Google Analytics Data APIはGA4専用の仕組みです。旧ユニバーサルアナリティクス(UA)プロパティでは動作しません。
APIで利用するIDは「properties/数字」の形式である必要があります。UAのプロパティIDは対応外のため、実行時に invalid property エラーが出ます。使用中のプロパティがGA4であるかを必ず確認してください。
権限設定の不足でエラーになる
サービスアカウントをGA4のアクセス管理に追加していないと、Permission denied エラーが発生します。
Google Cloud側で設定していても、GA4で閲覧権限が付与されていないとデータ取得は拒否されます。管理画面からサービスアカウントのメールアドレスを追加し、閲覧者または分析者として登録しましょう。権限周りはAPIエラーの最も多い原因です。
利用制限(クォータ)がある
Google Analytics Data APIには、1日あたり・1分あたりの呼び出し回数制限があります。大量データを自動で取得する場合は、スケジュールを分割したり、batchRunReports を活用して効率的にデータを集める設計が必要です。
連続でリクエストを送信すると RESOURCE_EXHAUSTED エラーが返るため、実行間隔を空けることが推奨されます。
データの反映にタイムラグがある
Data APIで取得するデータは、リアルタイムではなく最大24時間の遅延が発生します。特に当日分のセッション数やイベント数は暫定値として扱う必要があります。
即時データを確認したい場合は、runRealtimeReport メソッドを利用してください。通常のrunReport は集計後データを返すため、日次処理など安定した時刻に実行するのが理想です。
画面とAPIの数値が完全一致しない
GA4の管理画面とGoogle Analytics Data APIの結果は、集計方式が一部異なります。UIではサンプリングやフィルタが自動適用されることがあり、API出力と微妙な差が生じるのは正常な挙動です。
差分を気にするよりも、傾向や推移を正しく見ることが重要です。比較検証を行う際は、同一期間・同一ディメンション・同一メトリクスで揃えて分析しましょう。
まとめ
Google Analytics Data APIは、GA4のデータを自動取得・統合・分析できる実務向けツールです。
レポート作成を効率化し、リアルタイム分析やCRM連携まで自動化できるため、データ活用のスピードと精度を同時に高められます。設定はやや専門的に見えますが、Cloudプロジェクトの作成からAPI接続までは手順通りに進めれば誰でも実現可能です。
特に、定期レポートや広告施策の即時評価、チーム共有の自動化に課題を感じている企業にとって、導入効果は非常に大きいでしょう。日々の集計作業に追われている担当者こそ、まずは小規模なスクリプト連携から試してみてください。
マーケティング分析を、より効率的で成果につながる仕組みに変えていきましょう。
Contact
マーケティングにお悩みの方は
お気軽にご相談ください