Facebook広告のインプレッション単価(CPM)とは?仕組み・相場・下げる方法を徹底解説
Facebook広告を運用していると、「インプレッション単価(CPM)が高い」「費用が合わない」と感じることがあります。
CPMは1,000回の広告表示あたりに発生する費用で、広告の到達効率を示す重要な指標です。
クリック単価(CPC)や獲得単価(CPA)と異なり、主に認知・露出目的の効果を把握するために使われます。
本記事では、Facebook広告のインプレッション単価の基本から、上昇する原因・改善策などをわかりやすく解説します。
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Index
1. Facebook広告におけるインプレッション単価(CPM)の基本
1-1. インプレッション単価(CPM)とは?
1-2. クリック課金(CPC)との違い
1-3. CPM以外に併せて見るべき指標
2-1. 認知目的(リーチ・動画再生など)
2-2. トラフィック目的(クリック・訪問など)
3. Facebook広告のインプレッション単価が決まる仕組み
3-1. 入札額×推定アクション率×広告品質スコアで決定する
3-2. 高い品質スコアは低CPMにつながる
4. Facebook広告のインプレッション単価が高くなる原因
4-2. 広告クリエイティブの関連性が低い
4-4. 広告目的と入札設定が合っていない
5-1. ターゲット層を見直す
5-2. 配信面(Placement)を広げて学習を安定させる
5-3. 広告クリエイティブのABテストを行う
5-5. 学習フェーズ中の編集を減らす
5-6. フリークエンシーを管理する
6. まとめ
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Facebook広告におけるインプレッション単価(CPM)の基本
Facebook広告を効果的に運用するためには、まず「CPM(インプレッション単価)」の基本的な考え方を理解することが重要です。ここではCPMの定義や、他の課金方式との違い、そして併せて見るべき指標について詳しく解説します。
インプレッション単価(CPM)とは?
CPM(Cost Per Mille)とは、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用のことです。計算式で表すと
CPM=広告費用 ÷ インプレッション数 × 1,000
となり、広告が1,000回表示されるのに何円かかったかを示す指標です。例えば、10万円の広告費で広告が100万回表示された場合、CPMは100円になります。
Facebook広告では、広告がユーザーの画面に初めて表示された時点でインプレッションがカウントされます。つまりインプレッション単価とは、広告の表示回数に基づいて課金される方式であり、ユーザーの目に広告が触れるコスト指標と言えます。
クリック課金(CPC)との違い
デジタル広告にはCPM課金のほかにCPC(Cost Per Click)課金があります。CPC課金は広告がクリックされるごとに費用が発生する仕組みで、1クリックあたりのコストを示す指標です。一方、前述のようにCPM課金は広告の表示に対して費用が発生します。
たとえば、CPCであればクリックされなければ費用はかかりませんが、CPMではユーザーに広告が表示されればクリックされなくても費用が発生します。
CPM以外に併せて見るべき指標
CPMは広告の露出コストを示す重要指標ですが、広告効果を総合的に判断するには他の指標も併せて確認することが大切です。特に以下の指標に注目しましょう。
クリック率(CTR)
広告のインプレッション数に対して何%がクリックされたかを示す指標です。CTRが高いほど、表示された広告にユーザーが興味を持って反応していることを意味します。CTRは広告のクリエイティブやターゲティングの魅力度を測る直接的な指標であり、CTR向上は結果的にCPCの低下やコンバージョン増にもつながりやすくなります。
クリック単価(CPC)
1クリックあたりのコストを示します。ユーザーをサイトに誘導する費用対効果を測る指標で、一般的にはCPCが低いほど効率よくトラフィックを獲得できている状態です。
CPMは表示あたりのコストでしたが、CPCはクリックあたりのコストなので、広告が実際にクリックを生み出す効率を見るのに適しています。
コンバージョン単価(CPA)
1件のコンバージョンを得るのにかかった費用です。例えば購入や問い合わせなど広告の最終目的となる成果に対し、どれだけ費用がかかったかを示します。
CPAが低いほど費用対効果が高い広告運用と言えます。CPMやCPCが高めでも、最終的なCPAが許容範囲内であれば広告は効率的と判断できます。逆にCPAが高騰している場合は、CPMやCTRの数値と合わせて原因を分析する必要があります。
リーチ数・フリークエンシー
リーチは広告が届いたユーザーの延べ人数、フリークエンシーは一人当たりの平均接触回数を指します。
CPMはインプレッション数に基づくため、同じユーザーに繰り返し表示されている場合フリークエンシーが高くなりがちです。フリークエンシーが過度に高いと、同じ人に広告を見せすぎて新規リーチが伸び悩んでいる可能性があります。この値も併せてチェックし、偏った配信になっていないか確認しましょう。
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Facebook広告のインプレッション単価の目安
目的別に異なるFacebook広告のCPMの目安について、具体的な数字とともにご紹介します。
認知目的(リーチ・動画再生など)
ブランド認知度向上やリーチ拡大を目的としたキャンペーンでは、できるだけ多くのユーザーに広告を届けることが重視されます。この場合、CPMは比較的低めに抑えられる傾向があります。
Facebook広告全体の平均的なCPMはおおよそ100~500円程度とされていますが、認知目的のキャンペーンではCPMがその平均下限~中程度に収まるケースが多いようです。
トラフィック目的(クリック・訪問など)
トラフィック目的のキャンペーンではFacebookの配信最適化が「リンククリック」等に向くため、興味関心が高くクリックしやすいユーザーに絞って配信される傾向があります。
その結果、認知目的に比べてオーディエンスがやや絞られるため、CPMは中程度~やや高めで、数百円台後半~数千円程度になるケースがあります。
一方クリック率を高くすることで、仮にCPMがやや高めでもCPCを抑えられることもあります。
コンバージョン目的(購入・問い合わせなど)
購入・問い合わせ・アプリインストールなどコンバージョン獲得を目的とするキャンペーンでは、CPMは高めに出る傾向があります。
これはオークションの競争が激しい層に広告を出稿することになるからです。コンバージョンしやすいユーザー層は多くの広告主が狙うため、1インプレッションあたりの価値が高く評価され、CPMが上昇しやすいのです。
Facebook広告のインプレッション単価が決まる仕組み
CPMがきまる裏側にはFacebook独自の広告配信システムによる複雑な仕組みが存在します。CPMがどのようにして決まるのかを解説します。
入札額×推定アクション率×広告品質スコアで決定する
Facebook広告では、配信の可否やコストが広告オークションによって決定されます。このオークションでは単純な入札金額の大小だけでなく、以下の3要素の総合評価によって広告表示される枠が選ばれます。
入札額(広告主が設定する入札単価)
広告主がその広告表示に対して支払ってもよい最大金額です。入札額が高ければ高いほど、高額を払ってでも表示したい意図が強いことを意味します。他条件が同じであれば入札額が高い広告の方が高CPMを支払うことになりやすいです。
推定アクション率(Estimated Action Rate)
ユーザーが広告を見て広告主が望むアクションを起こす確率の推定値です。例えば最適化目標が「リンククリック」であれば推定クリック率、コンバージョンであれば推定コンバージョン率が該当します。
推定アクション率が高い広告は「成果につながる可能性が高い優秀な広告」とみなされ、低いCPMでも多く配信されやすくなる傾向があります。
広告品質スコア(Ad Quality/Relevance)
広告の品質やユーザーとの関連度の高さを示す指標です。具体的には、その広告に対するユーザーのポジティブな反応やネガティブなフィードバックが考慮されます。
また、クリエイティブの完成度や訴求内容の適切さも影響します。広告品質が高い広告はユーザー体験を損なわないためFacebookから好まれ、オークションで有利に働いて低いCPMで多く露出できる可能性があります。
高い品質スコアは低CPMにつながる
広告品質や関連度が高い広告はオークションで有利で、結果としてCPMも低く抑えられる傾向があります。Facebookはユーザーエクスペリエンスを重視しており、「People First」のポリシーのもと、質の低いコンテンツや悪質な広告はできるだけ表示させないようにしています。
そのため、ユーザーに評価される良質な広告はプラットフォーム側から歓迎され、多少低い入札でも積極的に配信枠を与えられるのです。
日頃から広告管理画面の「品質ランキング」指標をチェックし、品質が低下している場合は速やかにクリエイティブやターゲティングを見直すことが重要です。
オークション競合・シーズン要因によって変動する
Facebook広告のCPMは、入札戦略や広告品質など広告主側でコントロール可能な要素だけでなく、市場環境や時期的要因によっても上下します。特に大きな影響を及ぼすのがオークション上の競合の状況と季節的なイベントです。
まず競合状況について、同じターゲット層にアプローチしようとする広告主が増えると、限られたユーザーの閲覧枠を巡って競争が激化します。その結果、オークションに勝つために必要なスコア閾値が上がり、各社とも高い入札や高品質な広告を投入するため、CPMが全体的に押し上げられる傾向があります。
次にシーズン要因ですが、広告出稿が集中する時期には全般的にCPMが上昇する傾向があります。11~12月の年末商戦期や3月・9月の年度切替期、新生活シーズンなどは広告需要が高まり、多くの広告主が予算を投下します。これらの期間中は平時より明らかにCPMが跳ね上がるケースが見られます。
広告主側でこれらを直接制御することは難しいですが、傾向を把握しておくことは重要です。
Facebook広告のインプレッション単価が高くなる原因
Facebook広告のCPMが必要以上に高騰してしまう原因として、いくつか考えられる典型的パターンがあります。ここでは主な原因を順に解説します。自社の広告運用でCPMが想定より高い場合、該当する点がないか確認してみましょう。
ターゲティングが狭すぎる(学習データ不足)
オーディエンスの設定が絞り込み過ぎになっていると、CPMが高騰する傾向があります。広告配信の最適化は機械学習によって行われますが、対象ユーザー数が極端に少ないと十分なデータが蓄積できず学習が進みにくいのです。
その結果、配信効率が悪化して必要以上に入札単価を積まないとインプレッションが獲得できず、CPMが上昇してしまいます。
Facebook広告ではオーディエンス設定はある程度ゆとりを持たせ、機械学習に任せる部分を残すことが推奨されています。
広告クリエイティブの関連性が低い
広告のクリエイティブがターゲットにとって魅力的でなかったり無関係だった場合、ユーザーの反応率が低下し、それが品質スコアの低下につながってCPMが上昇します。
また、当初は関連度の高いクリエイティブでも、長期間同じ広告素材を使い続けるとユーザーが見慣れて新鮮味を失い、クリエイティブ疲弊が起こります。同じユーザーに繰り返し表示されることでCTRが徐々に下がり、広告の関連度スコアも低下していきます。
その結果、オークションスコアが下がり以前より高いCPMを支払わないと同じ量の配信ができなくなる現象が起きます。
定期的なクリエイティブ更新で広告へのフレッシュな反応を維持する必要があります。
フリークエンシーが高く、同一ユーザーに配信が偏る
フリークエンシーとは、一人のユーザーが同じ広告を見た回数のことです。この値が過度に高い場合、限られたユーザーに広告が繰り返し表示され、配信が偏在している状態だと言えます。フリークエンシーが高くなる原因としては、ターゲットが狭いまま予算をかけ続けた結果対象ユーザーに見せ尽くしている、もしくは広告の入札額が高すぎて同じユーザーばかり落札してしまう、といったことが考えられます。
同じユーザーに何度も広告を見せると、当然ながら新規の反応率は下がっていきます。最初は興味を持ってクリックしたユーザーも、何度も同じ広告が表示されれば飽きたり煩わしく感じたりするでしょう。そうなるとCTRが低下し、さらにはユーザーによっては広告を非表示にするなどネガティブ反応を起こす可能性も高まります。これらはすべて広告品質スコアの悪化要因であり、ひいてはCPMの上昇につながります。
広告目的と入札設定が合っていない
キャンペーンの目的選択や入札戦略の設定が不適切な場合も、CPMが上がってしまう原因になり得ます。Facebook広告ではキャンペーン作成時に「認知」「トラフィック」「コンバージョン」等の目的を選びますが、この目的に沿って配信最適化や課金方式が決定されます。
もし実際のKPIと選択した目的がズレていると、システムが目標とするアクションにユーザーが到達しにくくなり、結果として無駄なインプレッションに費用を割くことになりかねません。
必要に応じてより適切な目的や戦略に切り替えることで、配信効率とCPMが改善するケースも多いです。
配信期間が短すぎて学習フェーズが安定していない
Facebook広告には機械学習による配信最適化の学習フェーズがあります。新しく開始したキャンペーンや大幅に編集を加えた広告セットは、最初の数日~数十件の成果獲得までは「学習中」状態となり、配信パフォーマンスが安定しません。
この学習フェーズで頻繁に手を加えたり、十分な期間を置かずに広告を止めたりすると、最適化が完了しないままリセットが繰り返され、常に不安定で非効率な配信となってしまいます。
運用期間と学習状況を考慮し、腰を据えてデータを蓄積することが結果的に効率改善につながる点を押さえておきましょう。
シーズン(年末商戦・新年度)で競争が過熱している
前述の通り、季節要因による競争過熱はCPM上昇を引き起こします。特に年末商戦(11~12月)や新年度前後(3月・4月)は多くの業界でプロモーションが集中するため、Facebook広告においてもオークション競争が年間で最も激しくなる時期です。
こうした時期には、普段より同じターゲット層に多くの広告主が参入するため、必要な入札価格がどうしても高くなります。
インプレッション単価を下げるための改善策
ここではCPMを下げるための具体的な施策をいくつか紹介します。それぞれ自社の状況に合わせて試してみてください。
ターゲット層を見直す
まずはターゲティング設定の再検討です。オーディエンスが狭すぎるとCPM高騰につながるため、必要に応じてターゲットを広げることを検討しましょう。
もしオーディエンス規模が極端に少ない場合は、関連性を保ちつつもう少し広い範囲を許容する設定に変えてみましょう。
配信面(Placement)を広げて学習を安定させる
広告の配信面の拡張もCPM低下に有効な手段です。Facebook広告では、フィード、ストーリーズ、インスタグラム、Audience Networkなど多数の配信枠がありますが、これらを必要以上に限定しない方がオークションで有利になります。もし現在特定の配置をに絞っている場合は、他の配置にも配信を広げることを検討しましょう。
広告クリエイティブのABテストを行う
クリエイティブの改善はCPMを下げる有力な施策です。広告の質が上がれば品質スコアが向上し、オークションで有利になるためCPM低下が期待できます。
ABテストでは画像や動画、コピー、CTAボタンなど一要素ずつ変えて複数パターンの広告を配信し、CTRやコンバージョン率が良いものを特定します。反応が良いクリエイティブは品質スコアの向上につながり、推定アクション率も上昇してCPM改善に寄与します。
一方、結果の悪いクリエイティブは停止または改善し、常に最善の広告だけを出すようにすることで無駄なインプレッション費用を削減できます。
入札戦略を「入札上限」へ切り替えを検証する
現在の入札戦略を見直し、必要に応じて手動入札を試すことも検討に値します。デフォルトでは多くの場合「最低コスト」戦略になっていますが、CPMやCPAが高騰している場合、コスト管理を厳格化するために入札上限方式に切り替えることが有効なケースがあります。
学習フェーズ中の編集を減らす
学習フェーズ中の過度な編集を控えることもCPM改善には欠かせません。広告セットが学習中に何度も設定変更や再スタートを繰り返すと、最適化がリセットされて効率が落ち、CPMが乱高下しやすくなります。そこで、配信開始後しばらくは極力手を加えずデータ収集に専念することが大切です。
フリークエンシーを管理する
フリークエンシーの適切な管理もCPM削減に寄与します。同一ユーザーへの過剰配信を防ぐ対策を講じましょう。
一つはターゲティングの拡張・変更です。フリークエンシーが上がってきたら、現在のターゲットには行き渡ったサインと捉え、新たなオーディエンスを追加するのがおすすめです。
次に広告素材を変更することも有効です。同じクリエイティブを見せ続けて飽きられるくらいなら、クリエイティブを差し替えて新鮮な印象を与えます。
さらに、頻度上限の設定も一つの方法です。Facebook広告ではリーチ&フリークエンシー購入やリーチ目的キャンペーンなどで、1人あたりの表示回数の上限を指定することが可能です。目安として平均フリークエンシーが3~5を超えて高まり始めたら対策するくらいの感覚が良いでしょう。
まとめ
Facebook広告におけるインプレッション単価(CPM)の基本から、相場感・決定要因・高騰する原因・改善策まで幅広く解説しました。CPMは広告の配信効率を示す重要指標であり、特に認知度向上を狙う際には重視すべき数値です。しかし、CPMの良し悪しはコンテンツの質やターゲティング戦略、競合状況によって大きく左右されます。CPMが高いと感じた場合でも、まずはその背景にある原因を正しく見極めることが大切です。
そのうえでこの記事を参考に改善策を実践することで、CPMを抑えつつ広告効果を最大化できる可能性があります。それぞれの施策についてPDCAを回せば、きっとFacebook広告運用におけるCPMはより適正な水準に落ち着き、限られた予算でより高い成果を上げられるようになるでしょう。
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