アトリビューションモデルとは?GA4・Google広告での設定方法と成果を出すコツを解説

2025年11月1日

広告やマーケティングの効果を正しく評価するために欠かせないのが「アトリビューションモデル」です。従来のラストクリック評価だけでは、認知や比較段階で貢献した広告の成果を見逃してしまうケースも少なくありません。

本記事では、アトリビューションモデルの意味や重要性をはじめ、代表的なモデルの種類、目的別の選び方を解説します。さらに、GA4やGoogle広告での設定手順、分析・運用のコツも紹介。

データドリブンな判断で広告効果を最大化したい方に向けて、実務で役立つポイントをまとめました。

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アトリビューションモデルとは?

アトリビューションモデルとは?

現代のマーケティングにおいて、ユーザーがどのような経路でコンバージョンに至ったかを正しく理解することは不可欠です。ここでは、その接点ごとの貢献度を可視化する「アトリビューションモデル」について解説します。

アトリビューション(成果貢献)の意味

「アトリビューション」とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに経由した複数の接点それぞれに対し、どの程度コンバージョンに貢献したかの度合いを割り当てることです。

たとえば広告経由のコンバージョンでは、最後にクリックされた広告だけでなく、その前にユーザーが接触した広告や検索、メールマガジンなども何らかの影響を与えている可能性があります。アトリビューションでは、それら全ての要因に成果への貢献度を配分しようとする考え方です。

他モデルとの違い

従来の評価では、コンバージョン直前の最後の接点だけに成果を100%帰属させるのが一般的でした。しかしこのラストクリック中心の考え方だと、途中の認知や検討段階で接触した広告の貢献は無視されてしまいます。

アトリビューションモデルを用いれば、最終接点以外も含め「コンバージョンに至るまでどの経路がどれだけ寄与したか」を可視化できます。

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アトリビューションモデルの重要性

アトリビューションモデルの重要性

アトリビューションモデルが注目される理由は、その活用によってマーケティング活動全体の精度が飛躍的に向上するからです。ここでは、モデル導入がもたらす主なメリットについて見ていきましょう。

成果の"真の貢献者"を可視化できる

現代のユーザーは複数チャネル・複数デバイスを経由してコンバージョンに至ることが多く、ラストクリックだけで評価すると間接的に寄与している広告の価値を正しく測れないおそれがあります。

アトリビューション分析を用いれば、コンバージョンに貢献した全ての接点を明確化でき、コンバージョンまでにどの経路が本当に役立っていたかを把握できます。実際、ラストクリック測定だけでは評価されない上流のディスプレイ広告やSNS広告がコンバージョンのきっかけになっていた、といった「真の貢献」を発見できる場合があります。

予算配分・広告戦略を最適化できる

アトリビューションモデルによって各広告チャネルの貢献度が分かると、効果の高い広告に予算を重点配分し、低いものは削減するといった判断がデータに基づき可能になります。

コンバージョンまでのプロセスで、認知拡大や興味喚起、購入意欲の醸成に寄与した広告も含めて評価できるため、マーケティング施策全体の費用対効果を最大化する予算配分につなげられます。どの広告にいくら投資すべきかを貢献度によって判断でき、広告運用のROI改善が期待できます。

顧客行動を深く理解できる

複数のタッチポイントを分析することで、ユーザーがどのような経路・行動を経てコンバージョンに至ったのか、より深い洞察を得ることができます。アトリビューション分析ではユーザー心理や検討プロセスを細かく把握できるため、マーケティング担当者は顧客の行動パターンやニーズをより的確に理解できます。

その結果、カスタマージャーニー全体を踏まえた施策立案や、適切なメッセージの投下タイミングの調整など、よりユーザー視点に立った戦略策定が可能になります。

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代表的なアトリビューションモデルと特徴

代表的なアトリビューションモデルと特徴

アトリビューションモデルにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる評価ロジックに基づいています。以下では、代表的なモデルとその特徴を詳しく解説します。

データドリブンアトリビューション(DDA)モデル

データドリブンアトリビューション(DDA)は、ルールを定めずに機械学習アルゴリズムにより各タッチポイントの貢献度を割り振るモデルです。

他のモデルのように予め固定の割合が決まっているのではなく、蓄積された大量のデータやキャンペーン目的に基づいて動的に貢献度が算出されます。十分なデータが蓄積されている場合には最も精緻な貢献度分析が可能なモデルと言えます。

ファーストクリックモデル(起点モデル)

ファーストクリックモデル(起点モデル)は、コンバージョン経路の最初にユーザーが接触した広告に100%の貢献度を割り当てるモデルです。

例えばユーザーが初めてクリックした検索広告A→その後いくつか広告を経由→最終的にコンバージョン、という場合でも、最初の広告Aだけが成果に貢献したとみなします。ファーストクリックモデルは新規顧客の獲得やブランド認知拡大を重視する際に適しています。

ブランド認知目的のキャンペーン効果測定などで、初回接点がどれだけ貢献したかを把握したい場合に有効です。ただしコンバージョンとの直接的な結びつきは弱いため、実務ではあまり優先的に使われない傾向があります。

ラストクリックモデル(終点モデル)

ラストクリックモデル(終点モデル)は、コンバージョン直前の最後にクリックされた広告にのみ貢献度を100%割り当てるモデルです。

複数の広告を経由してコンバージョンした場合でも、最終的にユーザーが行動を起こした最後の広告だけが成果に寄与したと判断します。ラストクリックモデルは古くから用いられてきた基本的なモデルで、短期間で完結するキャンペーンや購買意欲が顕在化しているユーザーの分析に向いています。

直接コンバージョンにつながったキーワードや広告を重視したい場合に適したモデルであり、初めて広告運用を行う際など「どのキーワードが成果に結びつくのか」を把握したい局面でも有効です。

線形モデル

線形モデル(均等配分モデル)は、コンバージョンに至るまでのすべての接点に等しい貢献度を割り当てるモデルです。

例えばコンバージョンまでに4つの広告に接触したなら、それぞれ25%ずつの貢献度となります。線形モデルは全てのタッチポイントを公平に評価したい場合に適しています。

ユーザーの購買プロセス全体にわたる各施策の効果を均等に測定できるため、マーケティング施策全般の効果把握がしやすく、カスタマージャーニー全体の可視化にも役立ちます。

減衰モデル(時間減衰)

減衰モデル(タイムディケイモデル)は、コンバージョンに至るすべての接点に貢献度を割り当てつつ、コンバージョンに近い時期の接点ほど高い貢献度を与えるモデルです。

時間の経過とともに各タッチポイントの寄与度が逓減するイメージで、最後の接点に近いほど重みづけが高くなります。減衰モデルはラストクリックモデルと同様に短期間で完結する商材に向いており、特にコンバージョン直前の広告効果を重視したい場合に適しています。

「最終接点だけでは不安だが、できるだけ実際の購買に近い要素を重視したい」という場面で有効なモデルです。

接点ベースモデル

接点ベースモデル(U字型モデル)は、コンバージョン経路の「最初」と「最後」の接点にそれぞれ高い貢献度(例:40%ずつ)を割り当て、それ以外の中間接点に残り(例:20%)を均等配分するモデルです。

例えばコンバージョンまでに4つの接点があった場合、初回と最後の接点に40%ずつ、残る20%を中間の2接点に10%ずつ配分します。最初の接点と最後の接点を同程度に重視したいケースに適したモデルです。

中間の接点の順序や数はユーザーによって様々ですが、「初回接点による認知獲得」と「最終接点での刈り取り」の両方を評価したい場合に有効と言えます。

カスタムモデル

カスタムモデルは、上記の標準モデルとは異なり、自社のビジネスやマーケティング目的に合わせて独自にルールを定義して貢献度を割り当てるモデルです。

過去のデータ分析から「どのタッチポイントが売上に有効か」を把握できている場合には、その知見をもとに重み付けルールを自由に調整できます。

例えば特定の商品カテゴリーでは広告よりメールの寄与が大きいと分かればメール経由に高い重みを割り当てる、といったオリジナルのアトリビューションモデルを構築できます。ただし高度な分析力や十分なデータ量が求められるため、自社で明確な仮説・知見がある場合に限定して活用すべきでしょう。

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目的別に最適なアトリビューションモデルを選ぶ方法

目的別に最適なアトリビューションモデルを選ぶ方法

アトリビューションモデルの選定は、自社のマーケティング目的や施策のフェーズに応じて適切に行うことが重要です。ここでは目的に応じた選び方の指針を紹介します。

認知を重視したい場合

マーケティングの目的が新規顧客の認知獲得にある場合は、ファーストクリックモデルが適しています。ファーストクリックは最初の接点に全ての貢献度を割り当てるため、ブランド認知や初回訪問を促した広告の効果を把握しやすいからです。

特に新商品のローンチや新規市場開拓などで「どのチャネルでユーザーに最初にリーチできたか」を評価したいとき、有効なモデルと言えるでしょう。

検討段階を含めて全体を公平に見たい場合

ユーザーの検討プロセスも含めすべての接点を公平に評価したい場合は、線形モデルの採用が有力です。線形モデルであれば認知から検討、購買までの各段階に均等な重み付けをするため、特定の接点に偏らず全体を俯瞰した効果測定ができます。

中間の検討段階で触れた複数の広告についても等しく貢献度を割り振ることで、「どの組み合わせがユーザーの意思決定に寄与しているか」を公平に見極められます。全体を広く捉えたい場合に有効なモデルです。

購買・問い合わせ直前の施策を重視したい場合

コンバージョン直前の施策に評価の重きを置きたい場合は、ラストクリックモデルを選ぶのがシンプルです。ラストクリックは最終接点だけを評価するため、「最後にユーザーの背中を押した広告はどれか」を明確に測定できます。

例えば問い合わせフォーム送信直前のリスティング広告や、購入直前に踏んだLPなど、刈り取り施策の効果を最大限に重視したいケースで有効です。

認知と刈り取りのバランスを取りたい場合

上位ファネルと下位ファネル双方をバランスよく評価したいなら、接点ベース(U字)モデルが適切です。接点ベースモデルでは最初と最後の接点に大きな比重を置くため、ブランド認知をもたらした入口施策と最終的に成果をもたらした出口施策の両方を高く評価できます。

新規顧客獲得に積極的で競争が激しい状況なら最初の接点も重視すべきですし、同時に刈り取り施策も欠かせません。そのような場合にU字モデルは認知と獲得のバランスを取った評価を実現します。ファネルの両端を強化してマーケティングを展開している企業に向いたモデルと言えます。

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GA4・Google広告でのアトリビューションモデル設定方法

GA4・Google広告でのアトリビューションモデル設定方法

アトリビューションモデルの理解を深めたら、実際にツールでの設定が必要になります。GA4とGoogle広告における具体的な設定手順を紹介します。

GA4(Google アナリティクス4)の場合

GA4ではプロパティごとにレポート用アトリビューションモデルを選択できます。デフォルトではデータドリブンモデルが適用されていますが、管理画面から変更可能です。設定手順は以下の通りです。

1. GA4の管理画面で、対象プロパティの「管理」をクリックします。
2. [データの表示] 内にある「アトリビューション設定」を選択します。
3. 「レポート用のアトリビューションモデル」という項目でプルダウンメニューから希望のモデルを選択し、「保存」をクリックします。初期設定では「データドリブン」が選ばれています。

以上でGA4の標準レポートに適用されるアトリビューションモデルが変更されます。GA4では複数モデルを試行的に比較しながら、自社に合った分析視点を探ることができます。

Google広告(Google Ads)の場合

Google広告ではコンバージョンアクションごとにアトリビューションモデルを設定します。設定や変更の手順は次の通りです。

1. Google広告管理画面の右上「ツールと設定」メニューから[測定]カテゴリ内の「コンバージョン」をクリックします。

2. 新しくコンバージョンを作成する場合は「+」ボタンから該当するコンバージョン種別を選び、必要項目を入力していきます。設定画面の一番下に「アトリビューションモデル」を選択する項目があるので、そこで希望のモデルを選択します。選択後、通常のコンバージョン設定と同様に保存すれば登録完了です。

3. 既存のコンバージョンアクションのモデルを変更する場合は、コンバージョン一覧から対象のコンバージョン名をクリックし、詳細画面で「設定を編集」を選択します。設定項目の一番下にある「アトリビューションモデル」を新しいモデルに変更し、保存して完了します。

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成果を最大化するための分析・運用のコツ

成果を最大化するための分析・運用のコツ

アトリビューションモデルを活用するだけでなく、日々の運用と分析にも工夫が必要です。ここでは、成果を最大化するために実践すべきポイントを解説します。

単一チャネルだけで判断しない

アトリビューション分析では複数チャネルにまたがるユーザー行動を前提に考察することが重要です。最後の接点となった単一チャネルの成果だけを見て意思決定してしまうと、実は前段で大きな役割を果たしていた他のチャネルを過小評価してしまうリスクがあります。

現に、クロスチャネル・クロスデバイスが当たり前となった現在では、ラストクリックのみの評価では広告の真の効果を見誤り、本当は貢献していた広告を停止してしまう事態にもなりかねません。各チャネルの役割を広い視野で捉え、単一チャネルの数字だけで判断しないようにしましょう。

CVだけでなく"接触経路数"も見る

アトリビューション分析ではコンバージョン数だけでなく、ユーザーがコンバージョンに至るまで何回の接触を要したかにも注目しましょう。たとえば「大半のユーザーが初回接触でそのまま購入する」のと「複数の広告に触れてようやく購入に至る」のとでは、採用すべきモデルや戦略も異なるはずです。

実際に自社のデータを見て、コンバージョンまでに経由する平均接点数や経路パターンの分布を確認することをお勧めします。もし2回以上の接触を経るユーザーが多いようであれば、ファーストクリックや線形モデルなどマルチタッチ前提の評価に切り替える意義が高いでしょう。

このように単にCV数を見るだけでなく、コンバージョンに至る道のりの長さや複雑さにも目を向けることで、より的確な分析と施策立案が可能になります。

データドリブンモデルを活用する

十分なコンバージョンデータが蓄積できている場合は、データドリブンアトリビューションの活用を検討しましょう。データドリブンモデルは機械学習によって各タッチポイントの貢献度を算出しており、固定的なルールに比べ精度の高い評価が期待できます。

特に複数チャネルのシナジー効果や、特定の組み合わせでコンバージョン率が高まるといった人間の直感では捉えにくいパターンも、データドリブンなら反映される可能性があります。自社のコンバージョンボリュームが一定以上ある場合は、積極的にこうした機械学習ベースのモデルを試してみる価値があります。

モデル変更後は一定期間データを蓄積する

アトリビューションモデルを切り替えた直後は、しばらくデータの安定化期間を設けることが重要です。モデル変更によりコンバージョンの計上タイミングや値が再配分されるため、直後数日間は一時的にコンバージョン数が減少して見える場合があります。

例えばラストクリックから他モデルに変えた場合、コンバージョンが発生してから報告されるまでのラグが影響し、移行直後は実績が落ちたように見えることがあります。十分な期間を置いてデータを観察し、新しいモデルでの傾向を把握した上で入札単価や予算配分の調整を行いましょう。

分析結果を定期的に見直す

アトリビューション分析は一度やったら終わりではありません。ユーザーの行動や市場環境は常に変化するため、定期的にデータを分析し直し、施策の改善→効果検証→さらに改善…というPDCAサイクルを回していくことが重要です。

例えば、新たな広告チャネルを開始したりプロモーション戦略を変更した際には、アトリビューションの結果も変化します。その都度「現状どの接点が効いているのか」「どのモデルで評価するのが適切か」を見直し、モデル自体の再選択や目標KPIの修正を検討しましょう。

定期的な見直しにより、常に最新の顧客行動に合った評価軸でマーケティング施策を最適化し続けることができます。

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まとめ

アトリビューションモデルは、コンバージョンに至るまでの顧客接点に着目し「真の成果貢献者」を可視化するための手法です。適切なモデルを選択・活用することで、広告費の最適配分やユーザー視点に立った広告運用の実現に大いに役立ちます。一方で分析には多様で膨大なデータを扱う必要があるため、社内の知見が不足する場合にはツールの導入や専門家の支援も選択肢になるでしょう。

重要なのは、自社のマーケティング目的や顧客行動に合致したモデルを選び、データに基づいて継続的に施策を改善することです。アトリビューション分析を上手に活用し、限られた予算で最大の成果を生み出せるマーケティング施策を追求していきましょう。

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萩原 理香子

編集者 萩原 理香子

CATS株式会社 マーケティング戦略室

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