
LINEビジネスマネージャーとは?LINE公式アカウントとの連携や設定方法を解説
LINEビジネスマネージャーとは、LINE公式アカウントやLINE広告など、LINEが提供する複数の法人向けサービスのアカウントやデータを一元管理するための公式ツールです。
複数のサービスを横断してデータを活用することで、より効果的なマーケティング施策の立案と実行が可能になります。
この記事では、LINEビジネスマネージャーの基本的な機能から具体的な設定方法、活用シナリオまでをマニュアルのように解説するため、導入を検討している担当者はぜひ参考にしてください。
Index
2-1. 複数のLINEアカウントが持つデータを一元管理できる
2-2. 蓄積したオーディエンスデータで配信精度を高められる
2-3. LINE Tagを共有して広告効果を正確に測定できる
3. LINEビジネスマネージャーの始め方【4ステップで解説】
3-1. 組織のアカウントを作成する
3-2. ビジネス認証の審査を申請する
3-4. 共有したいリソースを選択する
4-1. LINE広告のデータを使ってLINE公式アカウントの友だちを増やす
4-2. 自社サイト訪問者に絞ってLINE公式アカウントでメッセージを送る
4-3. 既存顧客のデータをもとに類似したユーザーへLINE広告を配信する
5. LINEビジネスマネージャーを利用する前に知っておきたい注意点
6. まとめ
LINE友だち追加計測ツール

LINEの友だち追加を媒体やクリエイティブごとに正確に計測し、広告施策の効果改善を実現するツール。
LINE友だち追加後の「予約」や「購入」などのユーザーアクションもCVとして計測でき、売上成果につながる広告媒体が明瞭化。施策は媒体別・キャンペーン別・クリエイティブ別に計測できるため、最適な予算投下が可能に。


LINEビジネスマネージャーの基本概要と役割

LINEビジネスマネージャーは、LINEのビジネス向けサービスを「組織」という単位で統合管理するプラットフォームです。
利用を開始すると固有の組織IDが発行され、その組織に自社が保有するLINE公式アカウントやLINE広告アカウントといった資産を紐付けて管理します。
これにより、各サービスに個別にログインする必要がなくなり、管理が効率化されるだけでなく、広告代理店や関連会社といった外部パートナーとのデータ共有も安全かつスムーズに行えるようになります。
【DL資料】LINE公式アカウントの開設手順ー今後必ず必要になるアカウントを準備しようー
LINEビジネスマネージャーで実現できる3つのこと

LINEビジネスマネージャーを導入することで、これまでサービスごとに分断されていたデータやアカウントの管理を統合し、より高度なマーケティング活動を展開できます。
具体的には、複数のアカウントが持つデータの一元管理、蓄積されたデータを活用した配信精度の向上、そしてLINETagの共有による広告効果の正確な測定という、主に3つのメリットを享受することが可能です。
これらは、LINEを活用したビジネスの成果を最大化させる上で重要な要素となります。
複数のLINEアカウントが持つデータを一元管理できる
多くの企業では、事業部ごとやブランドごとに複数のLINE公式アカウントやLINE広告アカウントを運用している場合があります。
従来、これらのアカウントは独立して管理されていたため、データが分散し、組織全体での横断的な活用が困難でした。
LINEビジネスマネージャーを利用すると、これらのアカウントを一つの組織に連携させ、一元的に管理できるようになります。
これにより、各アカウントのパフォーマンスをまとめて把握したり、ユーザーデータを統合して分析したりすることが可能になり、管理工数の削減とデータに基づいた迅速な意思決定を実現します。
蓄積したオーディエンスデータで配信精度を高められる
LINE公式アカウントの友だち情報や、LINE広告を通じてウェブサイトを訪れたユーザーのデータは、貴重なオーディエンスデータとなります。
LINEビジネスマネージャーは、これらのオーディエンスデータを異なるアカウント間で共有する機能を提供します。
例えば、あるLINE公式アカウントで作成したメッセージ開封者のオーディエンスを、別のLINE広告アカウントで利用してターゲティング広告を配信することが可能です。
このように、すでに自社に興味を持っているユーザーや、その類似ユーザーに的を絞ってアプローチすることで、広告配信の精度を高め、費用対効果の改善が期待できます。
LINE Tagを共有して広告効果を正確に測定できる
LINETagは、自社ウェブサイトに設置することで、コンバージョン計測やリターゲティング広告の配信に活用できる重要な機能です。
通常、このタグはLINE広告のアカウントごとに発行されますが、LINEビジネスマネージャーを使えば、一つのLINETagを組織内で共有し、複数の広告アカウントで利用できます。
これにより、アカウントごとにタグを設置・管理する手間が省け、設定ミスを防ぐことにもつながります。
正確なデータ計測は、LINE広告の費用対効果を正しく評価し、運用の最適化を図るための基盤となります。

LINEビジネスマネージャーの始め方【4ステップで解説】

LINEビジネスマネージャーの利用を開始するには、いくつかの設定手順を踏む必要があります。
まずはLINEビジネスIDでログインし、組織のアカウントを作成することから始めます。
その後、管理したいアカウントを紐付け、ビジネス認証の審査を申請するという流れで進めます。
開設からデータ共有の設定完了まで、大きく4つのステップに分かれているため、一つずつ手順を確認しながら作業を進めることで、スムーズに導入を完了させることが可能です。
組織のアカウントを作成する
➀LINEビジネスマネージャーの公式サイトにアクセスし、自身のLINEビジネスIDでログイン
➁ログイン後、管理画面が表示されるので「組織を作成」ボタンをクリック
➂地域、名前を入力し、完了後「作成」をクリック。
※ここで入力する名前は、社内で管理しやすい正式名称などを設定することが推奨されます。
ビジネス認証の審査を申請する
アセットの紐付けと並行して、ビジネス認証の審査を申請します。
オーディエンスデータの共有など、LINEビジネスマネージャーの全ての機能を利用するためには、このビジネス認証が必須です。
ビジネスマネージャーの「ビジネス情報」から、「ビジネス情報を追加」をクリック。ビジネスタイプを選択します。
「法人」か「個人事業主」で、入力する項目が異なります。必要情報を入力したら、「作成」をクリックします。
申請後、LINEヤフー社による審査が行われ、必要情報入力画面で設定したメールアドレス宛に、認証審査の確認メールが届きます。メールを確認して認証を完了させて下さい。
審査には時間がかかる場合があるため、早めに申請手続きを進めておくと良いでしょう。


LINE公式アカウントや広告アカウントを紐付ける
組織の作成が完了したら、次に管理したいLINE関連のアセットを紐付けます。
管理画面のダッシュボードから「アセットを管理」へ進み、ビジネスマネージャーを利用したいアカウント「LINE公式アカウント」や「LINE広告アカウント」との接続が必要となります。
アセットを紐付ける際には、対象アカウントの管理者権限が必要です。
自身が管理しているアセットであればそのままリクエストを送信できますが、他者が管理しているアセットの場合は、相手に連携をリクエストし、承認してもらう手続きが発生します。
共有したいリソースを選択する
ビジネス認証が完了し、アセットの紐付けも済んだら、最後にどのデータをどのアカウント間で共有するかを設定します。
管理画面の「アセットの管理」内にある「オーディエンス」などの項目から、共有したいデータリソースを選択します。
例えば、特定のLINE公式アカウントで作成した「友だちのオーディエンス」を選び、共有先としてLINE広告アカウントを指定します。
この設定を行うことで、初めてアカウント間でのデータ連携が有効になり、広告配信などで共有したデータを活用できるようになります。
LINEビジネスマネージャーの具体的な活用シナリオ

LINEビジネスマネージャーを導入することで、これまで個別に行っていた施策を連携させ、より戦略的なマーケティングを展開できます。
LINE広告で得たデータをLINE公式アカウントの友だち獲得に活かしたり、ウェブサイト訪問者に対してメッセージを配信したりと、その活用方法は多岐にわたります。
ここでは、データ連携によって実現する具体的なマーケティングのシナリオを3つ紹介し、どのようにビジネス成果に結びつくのかを解説します。
LINE広告のデータを使ってLINE公式アカウントの友だちを増やす
➀LINE広告の配信結果から、広告をクリックしたユーザーや動画を視聴したユーザーなど、自社の製品やサービスに一定の関心を示した層のオーディエンスを作成します。
➁LINEビジネスマネージャーを介して、このオーディエンスデータをLINE公式アカウントと共有します。
➂この関心度の高いオーディエンスに対して、「友だち追加」を促すためのLINE広告を配信します。
無差別に広告を配信するよりも、すでに関心を持っているユーザーに絞ってアプローチするため、より効率的に質の高い友だちを獲得することが期待できます。
自社サイト訪問者に絞ってLINE公式アカウントでメッセージを送る
ウェブサイトにLINETagを設置し、訪問者のデータを蓄積します。
このデータを利用して、「サイトを訪問したが、まだ友だち追加はしていない」という条件でオーディエンスを作成します。
このオーディエンスに対してLINE広告を配信し、LINE公式アカウントへの友だち追加を促します。
無事に友だちになってもらえた後は、そのユーザーのサイト内での閲覧履歴などに応じて、LINE公式アカウントから個別のメッセージを送信し、再訪や購入を後押しするアプローチが可能になります。
一度接点を持った見込み顧客を逃さず、継続的な関係を築くための有効な手法です。
既存顧客のデータをもとに類似したユーザーへLINE広告を配信する
LINE公式アカウントの友だちや企業が保有する顧客の電話番号・メールアドレスといったデータを活用して既存顧客のオーディエンスを作成します。
次にLINE広告の「類似オーディエンス」機能を用いてこのオーディエンスと行動特性や属性が似ているユーザーをLINEのプラットフォーム上で探し出します。
こうして生成された類似ユーザー群に対して広告を配信することで自社の優良顧客になる可能性が高い潜在層へ効率的にアプローチできます。
これにより新規顧客獲得の精度を高め広告の投資対効果を向上させることが可能です。

LINEビジネスマネージャーを利用する前に知っておきたい注意点

LINEビジネスマネージャーは、LINEを活用したマーケティングを効率化する強力なツールですが、導入にあたっては事前に理解しておくべきいくつかの注意点があります。
特に、組織アカウントの認証に関する制約や、連携できるアカウントの種類、そしてセキュリティに関わる権限管理の重要性については、後々のトラブルを避けるためにもしっかりと把握しておく必要があります。 ここでは、特に重要な3つのポイントについて解説します。
1法人につき認証できる組織アカウントは原則1つ
LINEビジネスマネージャーでビジネス認証を受けられる組織アカウントは、原則として一つの法人(同一の法人番号)につき一つに限られています。
そのため、同じ企業内で複数の事業部がそれぞれ独自の組織アカウントを作成し、認証を受けることはできません。
導入を計画する際は、全社で利用する一つの組織アカウントを作成し、そこに各部署が管理するLINE公式アカウントや広告アカウントを紐付けていく運用体制を構築する必要があります。
事前に社内で管理方針を統一しておくことが重要です。
未認証のLINE公式アカウントは連携対象外
LINEビジネスマネージャーに連携できるLINE公式アカウントは、LINEヤフー社による審査を経て認証された「認証済アカウント」または「プレミアムアカウント」のみです。
誰でも作成できるグレーのアイコンの「未認証」アカウントは、連携の対象外となります。
現在、未認証アカウントを運用していて、LINEビジネスマネージャーの利用を検討している場合は、まずアカウントの認証審査を申請し、承認される必要があります。
認証済アカウントになることで連携が可能になるだけでなく、検索結果での露出が増えるなどのメリットもあります。
管理者権限を持つユーザーの取り扱いには注意が必要
LINEビジネスマネージャーでは、メンバーごとに詳細な権限設定が可能ですが、特に「管理者」の権限は慎重に取り扱う必要があります。
管理者権限を持つユーザーは、組織に紐づく全てのアセットへのアクセス、設定変更、メンバーの追加や削除といった、あらゆる操作ができてしまいます。
情報漏洩や誤操作のリスクを避けるため、管理者権限は信頼できる担当者など、必要最小限の人数に限定して付与することが推奨されます。
また、担当者の退職や異動が発生した際には、速やかに権限の見直しや削除を行うといったセキュリティ管理が不可欠です。
まとめ
LINEビジネスマネージャーは、企業が運用する複数のLINE公式アカウントやLINE広告アカウントといった資産を、一つの組織として統合管理するためのツールです。
このプラットフォームを活用することで、各アカウントが保有するオーディエンスデータなどを共有し、広告配信の精度向上や、より正確な広告効果の測定が可能になります。
導入には組織の作成からビジネス認証といったステップが必要であり、1法人につき1組織アカウントという制約や、権限管理の重要性など、事前に把握すべき注意点も存在します。
これらの機能を正しく理解し活用することで、LINEを起点としたマーケティング活動全体の効果を最適化できます。

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