行政・自治体におけるLINEの活用例！LINEが求められる背景や導入方法・注意点を紹介！

行政・自治体にLINEが求められる背景

行政サービスの利便性や迅速性が求められるなか、自治体によるLINEの活用が全国的に広がっています。

スマートフォンの普及とともに、住民の情報収集手段が変化する中で、LINEは自治体と住民の橋渡しとして重要な役割を果たしています。

ここでは、なぜ行政や自治体でLINEが求められているのか、その背景を解説します。

災害時や緊急時の情報伝達がスムーズになる

日本では地震や台風、大雨による水害など、自然災害が頻繁に発生します。こうした災害時には、迅速かつ確実な情報伝達が住民の命を守る鍵になります。

従来は防災無線や自治体ホームページを通じて情報発信が行われてきましたが、聞き逃しやアクセス集中による閲覧不可といった課題がありました。

そこで注目されているのがLINEの活用です。LINE公式アカウントからプッシュ通知で配信されるメッセージは、スマートフォンに即時に届き、高い開封率が期待できます。

また、テキストだけでなく、地図や画像、リンクを添付することも可能で、避難場所の案内やハザードマップの共有などにも効果的です。

行政手続きや住民対応がオンライン化できる

自治体の業務では、住民票の写しや各種申請、相談受付など、対面でのやり取りが中心となっていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進により、行政サービスのオンライン化が強く求められるようになっています。

LINEを活用することで、住民からの問い合わせへの自動応答、申請書のダウンロード案内、オンライン予約の受付など、業務の一部を非対面で実施できるようになります。こ

れにより、住民の利便性が高まるだけでなく、窓口職員の業務負担軽減にもつながります。

LINEの導入方法と住民への広め方

LINEを自治体業務に導入するためには、まずは公式アカウントの開設から始める必要があります。

その後、運用方針の策定や住民への周知活動を通じて、効果的な運用体制を整えていきましょう。

LINE公式アカウントの開設方法と運用準備

自治体がLINEを活用するには、「LINE for Business」から公式アカウントの申請・開設を行います。

開設時には自治体名やロゴ、プロフィール情報などを入力し、認証アカウントとしての信頼性を高めることが重要です。

アカウント開設後は、どのような目的で、どのような住民層に向けて情報を発信するかといった運用方針を明確にし、情報のジャンルごとに配信スケジュールを作成します。

また、外部ツール（例：Liny、Lステップ）との連携により、チャットボットの導入や属性別のセグメント配信など、より高度な機能も利用できます。

住民にLINEを登録してもらうための工夫

LINEを活用する上で欠かせないのが、住民に「友だち追加」してもらうための周知活動です。以下のような工夫を取り入れることで、登録数を増やすことができるでしょう。

・広報紙や公共施設にQRコード付きポスターを掲示

・自治体の公式ホームページやSNSに「友だち追加」ボタンを設置

・オンライン手続きやイベントの参加条件としてLINE登録を案内

・登録者限定で地域の特典や情報を配信するキャンペーンを実施

また、高齢者層への対応として、窓口での登録サポートを行うなど、年代別にアプローチ方法を工夫することも大切です。

行政・自治体におけるLINEの活用例

LINEは、情報発信から住民対応、行政手続きまで幅広い活用が可能です。実際に多くの自治体で導入が進んでおり、その活用方法も多様化しています。

以下に代表的な活用例を紹介します。

【DL資料】ー新規顧客獲得に悩む：美容クリニック・ジムなどの店舗をお持ちの企業様へ―LINE公式アカウント活用事例

災害情報や安全情報をLINEで届ける

災害時の緊急情報の伝達にLINEは非常に効果的です。避難指示、警報発令、避難所の開設状況などを迅速に配信することで、住民の安全確保に貢献できます。

さらに、災害後に給水車の場所、罹災証明書の取得方法など生活支援情報もLINEで案内することで、混乱を最小限に抑えられるでしょう。

行政窓口の問い合わせ対応や予約受付をLINEでスムーズに

行政窓口には日々多くの問い合わせが寄せられますが、LINEを活用すれば、その一次対応を効率的に行うことができます。

たとえば、「ごみの出し方を教えてほしい」「住民票の発行方法を知りたい」といった問い合わせに対し、あらかじめ用意した定型文をLINEで返信することで、迅速かつ簡潔な対応が可能になります。

担当者はテンプレートを活用することで、繰り返しの質問にもスムーズに対応でき、電話応対に比べて職員の負担も軽減されます。

また、予約が必要な相談や手続きについても、LINE上で受付フォームの案内を送ることで、窓口での混雑や待ち時間の削減につながります。

行政手続きなどをLINEから行えるようにする

全国の自治体で、LINEを活用した行政手続きのオンライン化が進んでいます。

北海道美瑛町では住民票などの申請をLINEから24時間受付、渋谷区や西尾市でもマイナンバー認証や電子申請システムと連携し、住民がスマホから手続きを完結できる仕組みを導入。

これにより、住民の利便性が向上し、窓口業務の効率化にもつながっています。

地域イベントや行事をLINEで告知する

地域のお祭りや講演会、健康教室など、自治体主催のイベント情報もLINEを通じて配信できます。

カレンダー形式で定期的にまとめて配信したり、対象者を絞ってセグメント配信を行うことで、情報の到達精度と効果が高まります。

また、イベント参加の事前予約をLINE上で受け付ける仕組みを作れば、事務処理の手間も削減できます。

行政・自治体でLINEを活用するときの注意点

LINEは利便性の高いツールである一方、公共機関として活用するには慎重な運用が求められます。

特に、情報管理や住民への配慮に関する以下の点に注意が必要です。

個人情報の取り扱いやセキュリティ対策を徹底する

LINEを通じて個人情報を収集・管理する場合、個人情報保護法に基づいた運用が求められます。

チャットでの相談内容やアンケート回答などの情報は、取得目的の明示・適正な管理・外部への漏洩防止など、厳格なルールの下で扱う必要があります。

また、外部ツールとの連携を行う場合は、システム的なセキュリティ対策だけでなく、業務委託先との契約内容にも注意を払うべきです。

住民に負担をかけない配信頻度・時間を設定する

情報を多く発信したいあまりに、住民にとって“通知が多すぎる”と感じられるケースもあります。配信内容の重要度や緊急性に応じて、配信の頻度やタイミングを調整することが大切です。

たとえば、イベント案内は週1回の定期配信にまとめる、夜間・早朝の通知は避けるなど、利用者目線での運用設計が求められます。

まとめ：LINEで行政・自治体をもっと身近にしよう

LINEは、行政と住民をつなぐ強力なコミュニケーションツールです。災害時の緊急対応から日常的な情報発信、各種手続きのオンライン化に至るまで、その活用範囲は広がり続けています。

導入にあたっては、明確な目的設定と丁寧な運用体制の整備が成功の鍵となります。

住民にとって“便利で親しみやすい行政”を実現するために、LINEを上手に活用し、地域全体のデジタル化とサービス向上を図っていきましょう。