ジムのマーケティング施策5選！最新のトレンドも含めてご紹介

スポーツジムの現状

日本のフィットネス市場は、近年急速に拡大しています。特に2023年度には市場規模が6500億円に達する見込みで、コロナ禍の影響を受けて一時的に縮小したものの、再び活気を取り戻しています。

低価格ジムの急成長や、消費者の健康意識の高まりが市場を後押ししており、「chocoZAP」のような手軽なフィットネスジムが人気を集めています。このような市場動向に伴い、フィットネス業界では新たなジムの開業や既存店舗の拡大が進んでいます。

しかし、店舗数が増える一方で、競争も激化しています。新規顧客を獲得するためには、他のジムとの差別化が重要であり、効果的なマーケティング施策が求められます。

例えば、地域に特化した集客戦略や、オンラインとオフラインを組み合わせたアプローチが不可欠です。特に若年層や働き盛りの世代をターゲットにした集客手法が求められ、SNSを活用したブランディングやYouTubeを通じたトレーニング動画の配信が効果的とされています。

加えて、競争が激化する中で、光熱費や人件費の上昇により収益性の確保が課題となっているジムも少なくありません。店舗数が増えている現在だからこそ、効率的な集客戦略とコスト管理が成長を続けるカギとなります。

参照）株式会社帝国データバンクのプレスリリース

この記事では、こうした競争環境を踏まえ、ジムの集客を成功させるための具体的な施策を紹介していきます。

集客を行う前に重要な3C分析

ジムの集客を成功させるためには、まず3C分析（顧客、競合、自社）を行い、戦略的なマーケティングを展開することが重要です。

3C分析とは、「顧客（Customer）」「競合（Competitor）」「自社（Company）」の3つの要素を分析するフレームワークで、ビジネス全般で活用されます。

ターゲット顧客の理解や競合との差別化を明確にすることで、効果的な集客施策を設計できます。

以下では、3C分析を踏まえ、特にジム集客において重要な要素について詳しく説明します。

ターゲットやペルソナを明確にする

集客において、どの顧客層をターゲットにするかを明確にすることが最初のステップです。

たとえば、20〜30代の健康志向の若者や、シニア層のリハビリ目的の顧客など、ターゲット層となるユーザーの年齢、性別、ライフスタイルによって自社のサービス内容やトレーニングメニューが変わってくるでしょう。

またペルソナを具体化することで、広告のメッセージや提供するサービス内容がターゲットユーザーに刺さりやすくなり、効果的な集客が可能になります。

集客範囲（地域）を明確にする

ターゲット層を定めたら、次に集客範囲を明確にすることが重要です。特に、ジムは立地が集客に大きな影響を与えるため、どのエリアに重点的にアプローチするかを考えましょう。

商圏エリアの分析を行う際には、国勢調査などの統計データを活用すると効果的です。例えば、独立行政法人統計センターが提供する「e-Stat」では、地域住民の年齢層や性別などのデータが参照でき、商圏の特性を把握するのに役立ちます。まずは、ジム周辺の人口や世帯数を調べ、交通機関や周辺施設の環境、そして競合するジムの動向を調査しましょう。

また、地域ごとの年齢層やライフスタイルに応じたマーケティング手法を選定することで、集客効果を最大化できます。

例えば、若年層が多いエリアではデジタル広告やSNSが有効かもしれませんが、高齢者が多い地域では新聞の折り込みチラシなどのオフライン広告が効果を発揮することがあります。

自社の強さを明確にする

競合との違いを打ち出すためには、自社の強みを明確にすることが不可欠です。

その際、競合となる他のジムはどのような特徴があるのかの分析を行うことが重要です。同じ地域の他社ジムをリストアップし、それぞれの強み、弱み、サービス内容を分析して、自社の強みを確認しましょう。

設備の充実度、特定のトレーニングプログラムの提供、24時間営業など、他のジムにはない特徴を強調することで、差別化が図れます。また、低価格ジムやプレミアムジムといったポジショニングを確立し、顧客に選ばれる理由を明確にすることが重要です。

ジム集客を成功させる方法5選

効果的なジム集客を行うためには、オンラインとオフラインの手法をバランスよく活用することが重要です。ここでは、ジム集客に役立つ5つの具体的な方法を紹介します。

Web広告の配信

Web広告は、GoogleやLINE、各種SNSの広告を活用して、自社のターゲットとなるユーザーにアプローチできる集客手法です。特にジムのような地域密着型ビジネスでは、地域ターゲティングを行うことで、見込み客に対して効果的にリーチすることができます。

メリットは短期間で広範囲にアプローチできて即効性が高いことです。ターゲット設定が適切であれば、数日から1週間程度で集客効果が現れます。特にLINE広告はターゲティングが優秀で店舗ビジネスであるジム集客に効果的です。

一方でデメリットは持続性が低く、広告を停止するとすぐに効果がなくなることです。

費用感としては一般的に月に数万円から数十万円です。

MEO対策

MEO（Map Engine Optimization）対策は、Googleマップでジムが検索上位に表示されるよう最適化する施策です。「地域名＋ジム」などで検索した際に上位に表示されることで、来店につながりやすくなります。ユーザーは家や職場から通いやすいジムを選ぶ傾向が強く、ジム集客においてMEO対策は非常に重要なポイントです。

MEO対策においては、Googleマップ上での評価や口コミを集めることが検索結果の上位表示に大きく貢献します。

しかし、注意すべき点として、口コミを集めるためのキャンペーンや報酬を提供する行為は、Googleのガイドラインに違反します。このような不正な手法ではなく、顧客満足度を高め、自然に口コミが集まるような施策を講じることが大切です。

参考）マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー

MEO対策作業自体は費用がかからず無料で行うことができますが、他の会社に依頼する場合などは月額5万円程度が相場です。

SNS運用

SNS運用は、Instagram、Twitter、TikTokなどのプラットフォームを活用して、ジムの活動やトレーニング内容、スタッフの紹介などを発信し、フォロワーとの関係を深める手法です。これにより新規ユーザーの集客や既存顧客のリピートに繋げることができます。

無料で始められる点や、資産性が高く多くのフォロワーがつくと信頼性が上がったりジムのブランディングができる点がメリットです。

一方で、定期的なコンテンツの投稿が求められ運用に手間がかかることや、フォロワーが増えて集客効果が高まるまで数ヶ月から半年ほど時間がかかることがデメリットです。

自社で運用する場合は無料で行うことができますが、外部の会社に運用を依頼する場合は月額約30万円程度の費用がかかります。

チラシやポスティング

オフラインでの集客施策として、チラシやポスティングも効果的です。特に、新規開業や特別なキャンペーンの際には、周辺住民に直接アピールできるため、ジムの認知度を高めることができます。

配布エリアを指定して特定のターゲット層に直接届けることができる点がメリットですが、

チラシが見られずに捨てられる可能性がある点がデメリットです。

費用感としては、1枚あたり7〜10円が目安です。

YouTube

YouTubeは、動画を通じてジムのトレーニング内容や施設の雰囲気を視覚的に伝えることができる媒体です。特に、トレーナーによる実際の筋トレ風景を配信することで、視聴者の信頼を得やすく、集客にもつながります。

メリットとしては、ジムの独自性を動画で強くアピールできる点、視覚的な情報で信頼感や親しみを持たせる点があります。また自然に多くの人をファン化させることができる可能性もあります。

デメリットは、運用が困難なことです。継続的に企画を考えて、演者を用意し、撮影・編集を行うことは時間的にも費用的にも大きなコストになります。

簡単な編集などであれば自社内で行うことができるかもしれませんが、一部外注するとかかる費用も多くなります。外注先に求める業務範囲やクオリティによっては月額数十万円〜100万円かかる場合もあります。

参考：店舗集客の効果的な方法とは？今すぐ考えられる9つの方法

まとめ

日本のフィットネス市場は急成長しており、競争も激化しています。

この記事では、ジム集客を成功させるために重要な3C分析を踏まえ、ターゲット顧客や地域を明確にし、競合と差別化を図る方法を解説しました。

さらに、Web広告やMEO対策、SNS運用など、オンラインとオフラインを組み合わせた5つの集客施策を紹介しました。効果的なマーケティング戦略を導入することで、競争環境で優位に立ち、ジムの持続的な成長を実現することが可能です。